ピアノのストラディヴァリウス?ベヒシュタインをご存知ですか?歴史や音色から紐解きます!

ベヒシュタインのピアノに興味があるけれど、「どのような音の特徴があるの?」「他のメーカーとどう違うの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

 

ベヒシュタインピアノは繊細かつ深みのある音色は、「ピアノのストラディヴァリウス」とも称されるほどです。

 

ベヒシュタイン社はドイツで創業し、約170年の歴史があります。

 

現在、公共ホール、教育機関、サロン、スタジオ、美術館、レストランなど様々な場所で愛用されています。

 

その魅力は、プロの音楽家だけでなく、多くのピアノ愛好家にも広がっています。

 

本記事では、ベヒシュタインの歴史や特徴、スタインウェイやベーゼンドルファーなど他のメーカーとの違い、なぜ今でも多くの音楽家に愛され続けているのかを、初心者にもわかりやすく解説します。

 

この記事を読めば、「ピアノのストラディヴァリウス」と呼ばれるベヒシュタインの魅力がきっとわかりますよ。

 

ぜひ最後までお読みくださいね。

 

・ベヒシュタイン社の歴史
・ベヒシュタインの特徴
・たくさんのピアニスト達に愛されているベヒシュタイン

 

ベヒシュタインピアノの歴史

 

ベヒシュタイン社はどのように誕生して、世界三大ピアノメーカーのひとつになったのでしょうか。

 

ベヒシュタイン社誕生

27歳のカール・ベヒシュタインによって、1853年にドイツのベルリンで創業します。

 

偶然ですが、同じ年に世界三大ピアノメーカーのひとつであるスタインウェイ&サンズ社も創業しており、まさにピアノ界では節目の年でもありました。

 

カール・ベヒシュタインは「リストのような激しくも繊細な演奏に耐えられるピアノを作る」という思いを持って、ピアノ製作を進めていきます。

 

転機は1857年にハンス・フォン・ビューロー(フランツ・リストの弟子)が、リサイタルでベヒシュタインのピアノを使い演奏会を開催したことです。

 

ビューローの激しい演奏を支え、複雑な音楽を表現し、一躍有名なピアノになりました。

 

1880年代には工場を拡大し、ロンドン・パリ・サンクトペテルブルクに支店を開き、世界的なメーカとしての地位を確立していきます。

 

戦後の復興から現代へ

ベヒシュタイン社は順調に業績を伸ばしていきますが、1929年の世界恐慌や第二次世界大戦のために、困難に直面してしまいます。

 

空襲によっていくつかの工場が損害を受け、ドイツが敗戦すると、アメリカの統治下に置かれました。

 

1951年にアメリカの統治が終了し、経営を再開しますが、1989年にベルリンの壁崩壊で一時は厳しい経営状態に陥ってしまいます。

 

1996年に株式会社になってからは、復活を遂げていき、世界三大ピアノメーカーとして地位を確立しました。

 

ベヒシュタインの特徴と他三大メーカーとの違い

 

ベヒシュタインの音はどのような特徴があり、なぜ多くの音楽家を魅了するのでしょうか?

 

ここでは公式ホームページでも紹介されている、3つの音の特徴をお伝えします。

 

音の立ち上がりが速い

音の立ち上がりが速い
つまり、あなたのタッチに瞬時に反応します。
ということは、あなたの欲しいと思う瞬間に音が出てくるということです。

ベヒシュタインは、鍵盤を押した瞬間に音が出るという「レスポンスの良さ」が特徴です。

 

ピアニストの指のタッチに瞬時に反応し、繊細なニュアンスを的確に表すことができますね。

 

透明感のある音

透明感ある音
ピアノの音が主張するのではなく、あなたの「個性」が前面に出てきます。
一音一音にあなたの伝えたい意味を持たせることが容易となり、様々な色彩を空間に描くことが可能になります。
多声部からなる音楽では、メロディー・内声部・伴奏部などをそれぞれ手前に出したり、または遠くから聴こえるようにすることができます。

 

濁りのないクリアな響きが、演奏者の個性や感情をそのまま音にしてくれます。

 

タッチや表現がダイレクトに伝わり、多様な演奏が可能ですね。

 

音域のバランス感

音域のバランス感
同時にベヒシュタインサウンドは、オーケストラを意識した、「音域のバランス感」に支えられております。
力強く、しかし強調されすぎることのない低音、伸びのあるリリカルな中音、歌うような高音---それは現代の要求に叶う響きの理想的な特徴です。

ベヒシュタインの音は、オーケストラのように低音から高音まで美しく調和しています。

 


特に中音の伸びやかな響きと、歌うような高音は絶品です。

 

スタインウェイ&サンズとベーゼンドルファーとの違い

世界三大ピアノメーカーは、ベヒシュタインのほかにスタインウェイ&サンズとベーゼンドルファーです。

 

それぞれの特徴を見てみましょう。

 

スタインウェイ&サンズ
  1. 比類なき音質と豊かな響き
  2. 卓越した職人技
  3. 革新的な技術と伝統の融合

 

ベーゼンドルファー
  1. ウィンナートーン
  2. 革新的な技術
  3. 創業からの伝統を守り続ける

 

詳細はこちらの記事を読んでみてくださいね。

 

ベヒシュタインは、これら2社の中間的な存在ともいえ、ジャンルを問わず幅広い表現が可能な点が大きな魅力です。

 

それぞれのメーカーが何に重きを置いているかを知ると音色を聴いてみたくなりませんか?

 

ベヒシュタインピアノの音色を動画で体感しよう!

「ベヒシュタインってどんな音がするの?」


そんな疑問を持った方のために、3つの代表的なモデルと演奏動画をご紹介します。

 

世界最高峰のグランドピアノ Concert D 282

Concert D 282は世界最高峰のグランドピアノです。


世界中のピアニストとの対話から誕生した、ベヒシュタインブランドの象徴的なピアノです。


音量のダイナミクスさ、アクションの速さ、透明感、立体的な響き、音域のバランス、どれをとっても世界最高峰のクオリティです。

 

ピアニストが求める以上の要求に応える表現力の豊かさを持ち合わせています。

 

世界最高峰の音色にうっとりしてしまいますね。

 

保屋野美和さんの演奏で「ドビュッシー:ベルガマスク組曲より月の光」

引用:YouTube

 

Academy A 190 魔法のような響き

サロンや小規模の演奏会にピッタリのピアノです。

 

こんなピアノなら、あなたの演奏もきっと魔法のように響くかもしれません。

 

とてもクリアで信じられないほどニュアンスが豊かです。

 

Academy A 190は公式ホームページで「ベヒシュタインの世界の魔法への入り口」と紹介されています。

 

こんなピアノなら、あなたの演奏もきっと魔法のように響くかもしれません。

 

演奏者不詳: 「ドビュッシー:ベルガマスク組曲より月の光」

引用:YouTube

 

同じ曲『月の光』を使用している2つのモデルを聴き比べることで、ベヒシュタインのピアノが持つ個性の違いをより感じられます。

 

Millenium 116K デザインと響きの融合

2003年にベヒシュタイン創業150年を記念して造られました。

 

ロンメル&シェーン・デザインでGood Design賞、IF Produkt Design 賞、IF Gold Design 賞などを受賞しました。

 

奥行58cm、幅152cm、高さ114cmとコンパクトですが、きちんと最高の品質をそなえていて、どこまでも響きが広がります。

 

Millenium 116Kは、他の2台と次の違いがあります。

  • アップライトピアノ(コンパクトサイズ)

  • デザイン性が高く、現代的

  • 繊細で身体に染み入るような音色

 

このため、「月の光」のような空間の広がりを活かすグランドピアノ向きの楽曲よりも、バッハのような構造的・内面的な楽曲が相性抜群なんです。

 

他の2モデルは、印象的な「月の光」でその繊細さと透明感を感じていただきましたが、
Millenium 116Kでは、あえてバッハの名曲を選びました。


アップライトピアノとグランドピアノでは演奏効果の高い曲も異なるためです。

 

鈴木幸子さんの演奏でバッハ:「主よ人の望みの喜びよ」

引用:YouTube

 

体に一音一音が染みいるように感じませんか?

気になるベヒシュタインピアノを実際に体感したい方へ!

 

動画を見て弾いてみたいと思われた方は、試弾もできます。

ベヒシュタイン・セントラム東京

主要モデルを常時約30台展示
所在地
〒100-0006
東京都千代田区有楽町1丁目5−1 日比谷マリンビル B1

・営業時間 10:00~18:00
・定休日:水曜日

・電話番号:03-6811-2925(ショールーム)03-6811-2935(ホール・スタジオ)

・アクセス:東京メトロ日比谷線 日比谷駅 A9出口 直結/
JR山手線 有楽町駅 日比谷口 徒歩 5分

東京が遠いという方はオンライン試弾がおすすめです。

 

リモートで、購入を検討しているピアノを店舗スタッフが弾いているのを見られて、音色を確認できます。

オンライン試弾

たくさんのピアニスト達に愛されているベヒシュタインピアノ

ベヒシュタイン社は創業から現在に至るまで、常に最高の品質を追求してきました。

 

創業者のカール・ベヒシュタインは、ピアニストが求めている音を理解し、理想に応えるピアノ作りを続けてきたのです。

 

時代を超えてたくさんのピアニスト達から支持されるピアノメーカーになり、現在に至ります。

 

ベヒシュタインが多くのピアニストに愛される理由

愛されている言葉を知ると、戦争や経営危機が迫っても約170年の間、必要とされてきたのがよく分かります。

 

いかに愛されているかを知られる言葉を紹介しましょう。

 

  • ドビュッシー( 印象派を代表する作曲家)
    「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ。」
  • リスト(ピアノの魔術師と言われたハンガリーの作曲家・ピアニスト)
    「この28年間ずっと貴社のピアノを弾き続けてきたが、ベヒシュタインピアノはいつでも最高の楽器だった。」
  • ハンス・フォン・ビュロウ(ドイツの指揮者・ピアニスト、リストの弟子)
    「ベヒシュタインはピアニストにとって、ヴァイオリニストのストラディヴァリウスやアマティのようなもの。」
  • アルトゥール・シュナーベル(オーストリアのピアニスト。ベートーヴェン弾きとして開花)
    「ベヒシュタインは指と耳を満たす」
  • フルトヴェングラー(20世紀前半を代表する指揮者)
    「ベヒシュタインは間違いなく現在製作されている中で最高のピアノのひとつである。とりわけ高貴で豊かな音色。甘いのに、崇高。」
  • ケンプ(日本でも人気の高かったピアニスト)
    「ベヒシュタインの時代に生きられて嬉しい。」
  • バックハウス(ドイツの伝統的ピアノスタイルの継承者と称されたピアニスト)
    「私は、堂々たるベヒシュタイングランドの信奉者です。」
  • ギーゼキング(練習しなくても弾ける”天才型”と呼ばれたドイツのピアニスト)
    「すばらしいコンサートグランドにお礼を申し上げます。」
  • レオポルド・ゴドフスキー(リトアニア出身「ピアニストの中のピアニスト」と称された。)
    「ベヒシュタインの楽器はアーティストにとって完全で、理想そのもの。」

引用:宮地楽器ホームぺージ

 

ベヒシュタインピアノの魅力とは?歴史・音色・評価のまとめ

世界三大ピアノメーカーのであるベヒシュタインピアノについてお伝えしてきました。

 

最後に要点を振り返ってみましょう。

 

ベヒシュタインについて
  • カール・ベヒシュタインによって創業され、約170年続く世界三大ピアノメーカー
  • 音の立ち上がりが早く、バランス感と透明感を備えている
  • ドビュッシーやリストなどたくさんのピアニストから愛されている

 

これからも、リストの激しい演奏に耐えうるピアノを作ったように、ピアニストが求めるピアノを製作し、たくさんのピアニストから永遠に愛されるピアノメーカーであり続けると思います。

 

べシュタインピアノの音をあなたもぜひ一度体感してみませんか?

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。