「これから子供にピアノを習わせようかな・・」
「どんな習い事をさせればいいのかな・・」
そう思っている読者様、「リトミック」ってご存じですか?
子供の習い事としても認知度が高く、多くの幼稚園や保育園のプログラムにも取り入れられています。
私も小学校からピアノを始めたので、漠然と「幼児向けの音楽グループレッスン」だと思っていたのですが・・。
実は、大人向けのリトミックもあるんです!
- そもそもピアノ教室でやっている「リトミック」ってなに?
- 「リトミック」を習うことのメリットとデメリット
- 「大人のリトミック」もあるって本当?
- 「シニアのリトミック」もあるの?
意外に奥が深い「リトミック」。
「自分もピアノを始めてみようかな・・」という読者様、ぜひ大人のリトミックも参考にしてみてくださいね!
そもそもピアノ教室でやっている「リトミック」ってなに?
「リトミック」、言葉は聞いたことがあるけど具体的にはどんなものなのか知らない読者様も多いと思います。
まずは、その歴史から見てみましょう。
「リトミック」の歴史
「リトミック」の歴史、実は意外に古いんですよ。
スイスの作曲家、エミール・ジャック・ダルクローズが19世紀後半に開発した音楽教育なんです。
もともとは、「音楽家を育てるために考案された教育法」。
今では人間の聴覚や運動能力、想像力などを育てる「音楽と動きを掛け合わせたプログラム」になっています。
小さい子供にはぴったりの、「幼児向けの音遊び」として知られているんですよ。
「子供のリトミック」ってどんなことをするの?
ではこの「リトミック」、「ピアノを習う」ことと何が違うのでしょうか?
「子供のリトミック」は、「最初からピアノなどの楽器を習わせる」のではないんです。
楽しく音と触れ合いながら音楽への興味や音感を育んでいくプログラムになっているんですよ♪
- ★【0~1才頃のプログラム】
音を聞いて感じ、音楽と触れ合う - ★【2~3才頃のプログラム】
色々なものを使って音を組み合わせ、音楽を作ることの楽しさを味わっていく - ★【4~5才頃のプログラム】
音楽の楽しさを感じる中で楽器に触り、そこからメロディーを作っていく
このように0才~5才頃まで、細かいプログラムに分かれています。
そのプログラムの詳しい内容を、少しだけご紹介しますね。
- 音楽に合わせて、親子で一緒に身体を動かす
- 親子で先生やお友達と触れ合い、音楽に慣れ親しんでいく
このくらいの年齢では、お母さんも一緒にレッスンを受ける内容になっていますね。
教室によっては、ベビーマッサージを取り入れているところもあるようです。
このくらいの時期はお子さんだけではなく、お母さんも産後1人で育児をしていて、煮詰まってしまったり孤独感を感じる時期です。
お母さん自身もストレス発散になり、そしてお子さんと一緒に音楽を楽しむことが出来ます。
- 身体で、言葉とリズムを自然に覚えられるようにしていく
- 他のお友達と仲良く遊んだり学んだりするグループ学習に慣れていく
このくらいの年齢になると、物の名前も覚えられるようになっています。
例えば「ボール」という言葉を、単純に手を叩きながら「ボール」と言ってみるなど・・
こういったことを繰り返して、言葉にリズムがあることを覚えていきます。
またグループ学習をすることで、コミュニケーション能力も身につきますよ。
少しずつ表現が豊かになってくるのも、このくらいの年齢です。
- 手足を使ってリズム感を養っていく
- 本人が興味を示した楽器にチャレンジさせていく
人間の耳が出来上がるのは、5~6才頃と言われています。
子供はそれぞれに能力が芽生える時期でもあります。
既に音楽に慣れ親しんでいるので、自然と自分が興味を示す楽器が出てきます。
メロディーに興味を示すならピアノやギター、リズムに興味を示すならドラムにチャレンジ・・
出来ることがどんどん広がっていきます。
「子供のリトミック」は、音楽だけを習うのではない!
「子供のリトミック」は、リズムや音楽を聴く「音楽基礎教育」です。
ですが、それと同時に子供たちの感性や想像力を伸ばす「情操教育」でもあるんです。
引用:リトミック研究センター
この3つ(心、力、性)はお互いに補い合って成長していきます。
どれかが欠けてもだめで、逆にどれかだけを伸ばすのも難しいんです。
- 「競争心」ばかりを煽ってしまうと、攻撃的になってしまうかも・・
- 「表現力」ばかりを伸ばしてしまうと、自分本位な人になってしまうかも・・
- 「感受性」ばかりを伸ばしてしまうと、感情の起伏が激しくなってしまうかも・・
なので、この3つがバランスよく成長していくのがとても大切なんです。
「音楽」と触れ合うことで同時に人格形成を養っていくのが「リトミック」なんですよ。
「リトミック」を習うと表現力が身につく?
「リトミック」を習うことで、実は「表現力」も身につきます!
「リトミック」では身体を動かすことを覚えるとき、予め振り付けは決まっていないので・・
- 小さい頃から、音楽を聴いて感じたことを自分で自由に表現できるようになる
- グループの中で、同じ音楽でも自然に十人十色の表現方法が出来上がる
- お友達の表現方法を見ても、素直に認めたり刺激を受けたりできる
これも「音楽能力」と「人格形成」両方を養ういい機会なのです。
どうせなら、子供には小さい頃からイヤイヤではなく自然に音楽を楽しんでほしいですよね。
この「リトミック」、幼児教育はもちろん、障がい児教育にも取り入れられています。
「リトミック」を習うことのメリットとデメリット
ここまでは、読んでいくと「リトミックって良いことばかり!」と思いますよね!
でも、やっぱり何でも「メリット」と「デメリット」があるはず。
ここではそのあたりも詳しくお伝えしていきます。
「リトミック」を習うメリット
音楽を聴くだけでもリラックス効果があるのは皆さんよくご存じですよね?
「リトミック」を習うことで、リラックスはもちろん他にも色々なメリットがあるんですよ♪
- 心身のバランスが整う
- コミュニケーション能力が身につく
- 右脳も左脳も活性化する
- お母さんの育児疲れも癒される
「リトミック」には、心身のバランスを整える効果があると言われています。
聴くだけでなく、リズムに合わせて身体を動かすことでもストレス解消に繋がります。
さらに、グループレッスンを行うことで自然とコミュニケーション能力も身に付きます。
親子で一緒にリトミックを習うことで、お母さんも育児の疲れを癒すことが出来るとも言われているんですよ。
「リトミック」を習うデメリット
次に、「リトミック」を習うデメリットも隠さずお伝えしたいと思います。
- 習っていても効果があるのかわかりづらい
- 「ピアノを習わせたい」など目的が明確な場合、遠回りに感じてしまう
例えば「ピアノを習う」なら、だんだん弾けるようになっていくことがわかりますよね。
でも「リトミック」は「習っただけの効果」が目に見えてこないとも言われます。
なので、習い続ける意味があるのかな・・と悩むお母さんもよく見かけます。
かくいう私も小学校からピアノを習っていたので、「リトミック」は未経験なのですが・・
以前通っていたミュージックスクールで、子供の頃「リトミック」を習っていた人がいました!
その人は、「リトミックが楽しかった」から今も続けてレッスンを受けているそうですよ♪
そして、こちらはプチ知識なのですが、、、
音楽教室によって、レッスン名に「リトミック」とついていなくても、リトミックと似たレッスン内容のものがあったりします!
ややこしいな~と、ちょっとモヤモヤしてしまいますよね。
そういうときは、問い合わせをしてみたり「体験レッスン」に参加してみましょう。
教室によって、どこに重点を置いてレッスンをするかで内容も少し変わってきます。
- 音に合わせて「身体を動かす」ことに重点を置いている
- 色々なジャンルの音楽を「聴く」ことに重点を置いている
お子さんの反応を見て、習わせるか考えてみるといいかもしれませんね♪
「大人のリトミック」もあるって本当!?
ここまでは「子供のリトミック」について説明してきました。
でも、「大人のリトミック」もあるのを皆さんはご存じですか?
実は、なんと演劇などの表現能力のトレーニングにも採用されている「リトミック」。
発祥の地スイスでは、子供からシニアまで幅広い年齢層の方々が「リトミック」を楽しんでいるんですよ♪
「子供のリトミック」とは何が違う?
「子供のリトミック」は、これからの成長過程に合わせたプログラムになっていました。
では、「大人のリトミック」はどんな内容なのでしょうか?
- 運動はちょっと苦手だけど身体を動かしたい!という方向けの、音楽を活用したエクササイズ
- 楽しく脳を活性化して、心身をリフレッシュ♪
- 表現力や創造力が豊かになる
- サークル活動のように、グループで楽しくレッスンできる
同じ「音楽を活用」していても、ちょっと趣が違います。
大人は子供に比べて長く生きている分、頭も固くなってちょっぴり既成概念に囚われがち。
「大人のリトミック」は、そんな凝り固まってしまった頭の中を活性化してすっきり解きほぐしてくれますよ♪
一例として、どんなレッスンがあるのか少しだけご紹介しますね。
大人の「英語リトミック」
文字通り、「英語を使ったリトミック」です。
外国人講師が行っているところがほとんどです。
音楽を使った「リトミック」だけではなく、同時に英語も楽しんで勉強できるんですよ!
読者様の中には、「英語も勉強してみたかったのよね♪」という方もいらっしゃると思います。
そんな方には音楽と英語を一緒に習えるので、一石二鳥でおすすめです♪
大人の「ハワイアンリトミック」
「こんなリトミックもあるの!?」と思った読者様もいらっしゃると思います。
でもよく考えると、「ハワイアン」はフラダンスを踊りますよね。
そう、これも脳を活性化する立派な「リトミック」なんです!
フラダンスの講師が指導されていますが、ただフラダンスを踊るだけではないんですよ。
ハワイアンミュージックを使って「リトミック」を行っていきます。
アロハを着たり、レイをつけたり、ウクレレを弾いたり。
だけど、ちゃんと「リトミック」のレッスンなんですよ♪
なお、ご紹介したもの以外でも色々な「大人のリトミック」があります。
ちょっと興味がわいた読者様は、一度体験レッスンに参加してみましょう!
また、「脳の活性化」がちょっと気になった読者様は、以下の記事も参考にしてみてくださいね!
>>ピアノの脳トレ効果って?脳の活性化ならピアノを今すぐ始めよう!
「シニアのリトミック」もあるの?
「リトミック」には大人向けのプログラムだけではなく、「シニアのリトミック」もあるんです。
最近では、老人保養施設などでも「老化防止の音遊び」として積極的に採用されています。
「シニアのリトミック」ってどんな内容?
では、この「シニアのリトミック」、どんなことをやっているのでしょうか?
- 音楽の癒し効果
- リトミックの脳トレ効果
- 身体を動かす運動効果
この3つを利用して、楽しく心と身体の健康を目指していきます。
高齢になると、身体を動かすことも大変になり運動不足がちになってしまいますよね。
「簡単な運動」と「楽しい音楽」で、老化防止はもちろん体力の維持と脳の活性化に役立ちます。
自由に動きにくい方のために、座って出来るものや簡単な楽器を使ったプログラムもありますよ。
また、音楽を通してスキンシップを行うことで緊張が解きほぐされるメリットもあるんです♪
この「シニアのリトミック」を実際にやってみたところ・・
- 寝たきりで動けなかった人が、リトミックで手だけでも反応するようになった
- 歩けなかった人が、リトミックで積極的に足を動かすことで歩けるようになった
こんな事例も実際に報告されています♪
「音楽と体操」を使った効果
ここまで読んで、「音楽と身体を動かすことは、そんなに良い効果があるの?」と思った読者様もいらっしゃると思います。
そこで、ある興味深いデータをご紹介しますね。
これは、ある自治体に協力いただいたデータです。
「音楽+体操」・「体操のみ」・「脳検査のみ」のプログラムをそれぞれ1年間定期的に継続。
その結果、認知機能に対する効果を検証したものです。
グラフの水色側がプログラム開始前、紫色がプログラム開始後です。
いくつかの簡単な質問で記憶力や計算力、言語能力などを検査していく検証を行いました。
数字が高いほど、記憶力などが正常に近いことを示しています。
この結果を見ると、「音楽+体操」が突出して効果が高かったことがわかりますね♪
また、「シニアのリトミック」に参加することで認知症対策だけでなく・・
- 音楽を聴いたり歌ったりして心が元気になる
- 音に反応して動くことで脳トレになる
- 昔の歌を歌うことで記憶が刺激される
- 歌うことで腹式呼吸をして代謝アップ
- 笑い合うことで明るい気持ちになる
こんな効果も期待されているんですよ♪
なお、ここでご紹介したデータは「音楽教室」のプログラムになります。
「リトミック」のプログラムとは異なる部分がありますので、内容は体験レッスンなどでご確認下さい!
以前にお話した、ピアノによるボケ防止の記事も参考にしてみてくださいね♪
>>ピアノによるボケ防止は本当?!気になる疑問を解き明かします!
子供から大人までおすすめ♪ピアノ教室で楽しくリトミック! まとめ
ここまで、「リトミック」について色々解説してきました。
子供からシニアまでどんな年代の人が習っても、以下のようなメリットがあります。
- 集中力がつく
- 協調性が養える
- コミュニケーション力が高くなる
- 表現力や創造力が豊かになる
- 脳が活性化する
- 心身のバランスが取れ、ストレスも解消できる
さらに、「リトミック」についてよくある質問もまとめてみました。
- 「リトミック」って、何歳くらいから始めるのが一番いいの?
- 「リトミック」を始めるには、特にこの年齢からと言う決まりはありません。
・0才~3才頃まで → 親子で楽しめ、お母さんのストレス解消にもつながります。
・4才頃~ → 少しずつ社会生活の練習として、友達や先生と楽しく習えます。
このくらいから、コミュニケーション力や表現力も自然と身についてきます。
お母さまが「このくらいで習わせてみたいな」と思うときがいいかもしれませんね。
- 大人でも「リトミック」ができるの?
- 今は、大人でもシニア世代でも楽しめる「リトミック教室」もあります。
「英語リトミック」、「ハワイアンリトミック」など・・。
読者様が「やってみたいな」と思う教室が近くにあったら、体験レッスンに行ってみましょう♪
リトミックを習うのに早い遅いは関係ないですよ♪
幅広い年代の方が楽しく習える「リトミック」、ぜひ一度体験してみてはいかがですか?
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。