「ピアノであの曲を練習したい!でもわざわざ楽譜を買うのもなあ…」と思った時、無料で楽譜が手に入ればとてもありがたいですよね。
最近は、インターネットで無料でダウンロードできる楽譜も増えてきています。
でも、楽譜をインターネットで探すのって難しいイメージがありませんか?
また、そういった無料の楽譜は指番号のついていないものが多く、「指番号がついているものが欲しいのに」という方も多いのではないでしょうか?
指番号があると練習しやすいだけでなく、指番号に沿って運指を練習することで曲をスムーズに弾くことができて、上達も早くなります。
そこで今回は、以下の点をお伝えします!
- 指番号つきの楽譜を無料で探す方法
- 指番号がついていない楽譜に自分で指番号をつける方法
【ピアノ楽譜】指番号つきのものも無料で手に入る?
楽譜を買うときって、読者様はどこで買うことをイメージしますか?
私は楽器屋さんなどで楽譜を探すのですが、欲しいと思っている楽譜がなくて諦めたり、何曲かまとめた楽譜しか売っていなかったりして残念な思いをすることが良くあります。
その点インターネットなら、欲しい楽譜のみを自宅にいながら探すことができるので便利ですよね。
探し方次第で、指番号つきの楽譜を無料で見つけることも可能です!
でも、ここで一つ疑問に思うことがあります。
インターネットで無料で配布されているものって大丈夫?ダウンロードしていいの!?ということ。
楽譜は著作物となるため著作権が発生します。
実は、インターネット上で配布されているものには著作権法上、違法なものもあるのです。
でも著作権切れの楽譜や、著作権管理団体の許可を得ているサイトの楽譜であれば、著作権侵害となる問題はないので安心してください。
著作権管理団体から許可を得ているサイトは、「管理団体の許諾マーク」と「許諾番号」がサイト内に表示されています。
インターネット上で楽譜を探す時は、必ずこれらを確認するようにしましょう。
【ピアノ楽譜】指番号つきのものを無料で閲覧・ダウンロードできるサイト
では、ここから指番号つきの無料の楽譜を探すことのできる、おすすめのサイトを紹介していきます♪
ピアノの本棚
引用:ピアノの本棚
こちらは、POPSの曲の楽譜を無料で公開しているサイトです。
楽譜は全てクラシックとPOPSの両方に精通したプロがアレンジしたもので、原曲の良さが活かされたクオリティーの高いアレンジとなっています。
楽譜のPDFをダウンロードすることもできるのですが、ダウンロードする際は有料となってしまうので注意してください。
閲覧だけであれば無料で楽譜の最後まで見ることができます。
こちらはJASRACの許可を得ているサイトなので、楽譜の閲覧やダウンロードも安心です。
楽譜は音名・指番号どちらも書いてあり、演奏のポイントも楽譜の始めに書かれているので、楽譜を読むのが苦手な方でも練習しやすい工夫がされています。
そして一番おすすめのポイントは、「ピアノの本棚」ではYouTubeチャンネルもあり、楽譜が公開されている曲すべてで模範演奏の動画を見ることができます。
下の動画は、ピアノの本棚のYouTubeチャンネルで公開されている「あの夏へ」の模範演奏です。
動画を視聴することで、曲の雰囲気と鍵盤での指の動きを確認しながら練習を進められます。
楽譜で分かりづらい点や上手く弾けない部分があっても、動画を見てどうやって弾くか参考にすることができるのは練習の助けになりますね。
IMSLP
「IMSLP」は著作権の保護期間の切れたクラシックの楽譜を、無料でダウンロードできるサイトです。
こちらはもともとカナダのサイトですが、メインページは日本語に対応しているので、曲名と作曲家名を日本語のまま入力することで検索することができます。
指番号のついていない楽譜もあるのですが、指番号のついているものも多いので、クラシックの楽譜を探している方にはとても役立つサイトだと思います。
ここで少し注意しなければいけない点として、著作権の保護期間について説明します。
日本での著作物の著作権は2018年12月30日より、それまでの「著作者の死後50年まで」から「70年まで」に延長されました。
しかしカナダの法律では著作権の保護期間は「著作者の死後50年まで」となっています。
「あら、20年も違いがあるじゃない!?」
そう、IMSLPで検索できる楽譜はカナダの法律上で著作権切れのものとなり、日本の法律では著作権が切れていない楽譜がある可能性があるのです。
とはいえクラシックの楽曲であれば、著作権の保護期間の過ぎた曲がほとんどです。
ダウンロードする前に一度、その曲の作曲家についてや、著作権の状態について調べておくとよいでしょう。
【ピアノ楽譜】無料の楽譜に指番号を自分でつけてみよう!
無料で指番号つきの楽譜を閲覧・ダウンロードできるサイトを紹介しましたが、無料の楽譜は指番号のついていないものも多いのが実情です。
せっかく見つけた楽譜も、「指番号がついていなくて練習がなかなか進まない」となってしまったらもったいない!
次は自分で指番号をつける場合のコツについてお話します。
指番号は、楽譜の音をどの指で弾くか「親指・人差し指・中指・薬指・小指」をそれぞれ「1・2・3・4・5」の数字で表したものです。
指番号をどのようにつけるかについては、手の大きさや指の長さに個人差もあるので、絶対的なルールはありません。
しかし指番号を考えるための、いくつかのポイントがあります。
- フレーズ(メロディーのまとまり)ごとで指番号を考える
- フレーズの終わりの指は、次のフレーズの初めの音につなげやすくする
- 音の間隔が広いときは、親指を効果的に使う
では、これらのコツについて詳しく説明していきます!
指番号をつけるコツ:①フレーズごとで指番号を考える
さて、指番号をつけるときには、フレーズごとの指の動かし方(運指)を考えることが重要になります。
フレーズとはいくつかの音で作られたメロディーのまとまりのこと。
フレーズの考え方は演奏者の解釈によりますが、スラーのついている部分では、そのまとまりが1つのフレーズとなります。
例えば「かえるのうた」であれば、下記のようになります。
これを少し発展させて、「エリーゼのために」で見てみましょう。
「かえるのうた」と比べると複雑に見えますが、スラーのまとまりごとに分けて考えてみましょう。
右手の最初のフレーズは、一番高い音が「ミ」で、一番低い音が「ラ」となります。
5度(4つ隣の白鍵同士)の音の開きなので、「ミ」は小指(指番号「5」)で、「ラ」を親指(指番号「1」)とすれば良いですね。
次のフレーズは「ド」から始まり「シ」までと、音の開きがありますね。
まずは一番低い「ド」の音を親指で弾いてみましょう。
そしてそのまま一番高い「シ」の音に小指を置いてみると、どうでしょうか?
もし近くに鍵盤がったら押さえてみてください。(無い方は鍵盤を弾いているイメージをしてみてください。)
その指は「ミ」を「2」、「ラ」を4で弾きたがっていませんか?笑
次の「ミ・ソ#・シ・ド」のフレーズも、同じように「1・2・4・5」の運指でスムーズに弾くことができます。
このように右手のメロディーに指番号をつけていくと、下記のようになります。
音の高さの間隔が広いメロディーも、フレーズごとで考えるとどのように指番号をつけるといいか考えやすいですね。
指番号をつけるコツ:②フレーズのつながりを考える
さて、フレーズ内の指番号のつけ方はわかりましたが、これだけではフレーズとフレーズのつながりがスムーズにいかない場合があります。
例えば、こちらはトルコ行進曲の冒頭です。
右手のメロディーの最初のフレーズを、試しに先ほどのように指番号をつけてみましょう。
最初のフレーズは一番高い音が「ド」となり、一番低い音が「ソ#」となります。
黒鍵は親指では弾きにくいので、初めの「レ」の音を4から弾き始めるようにしてみましょう。
「シ・ラ・ソ#・ラ・ド」を「4・3・2・3・5」と弾けば、フレーズ内はスムーズに弾けます。
しかし次のフレーズを弾こうとすると、問題があります。
次のフレーズは一番高い音が「ミ」となるため、初めの「レ」の音を4から弾き始めたいですよね。
しかし、前のフレーズで「ド」を小指で弾いた状態となっているので、休符があるとはいえ、レを4で弾くのはスムーズではありません。
ここで登場するのが必殺技「指くぐり」。
なんて大げさに言ってみましたが、親指をくぐらせて弾く方法です。
では、最初のフレーズを「指くぐり」を使って、もう一度考えてみましょう!
「ソ#」の次の「ラ」を指くぐりをして「1」で弾いてみます。
するとフレーズの終わりの「ド」を「3」で弾き、次のフレーズの「レ」をスムーズに「4」で弾くことができます。
指番号をつけること:③親指を効果的に使う
先ほども指くぐりを使った運指について説明しましたが、メロディーをスムーズに弾くためには親指を効果的に使うことが重要です。
親指は骨の並びや関節の構造が他の4指とは違うため、運指において重要となる以下のようなメリットがあります。
- 指くぐりができる
- 親指と人差し指の間は、その他の隣り合う指同士よりも大きく開く
では、これらのメリットを活用するポイントについて説明していきます。
指くぐり
フレーズ間やフレーズ内の音の高低の間隔が広いメロディーを弾くときには、指くぐりが必要になってきます。
指くぐりを行うときのポイントとしては、「2指または3指で弾いた次の音を、親指をくぐらせて弾く」ようにしましょう。
4指からでもできない訳ではないですが、流れがぎこちなくなってしまいますし、無理に親指を中に引き込む動きになるので、手首の関節を痛める原因にもなります。
「美しいメロディーは無理のない指運びから」です!
第1指と第2指の間は大きく開くことを上手く利用する
親指と人差し指が大きく開くことが出来るのは分かりやすいですが、「それが具体的にどんなときに使えるのかしら?」と思いますよね?
そこで、先に説明した「エリーゼのために」の右手の2つ目のフレーズをもう一度見てみましょう。
「ド・ミ・ラ・シ」を「1・2・4・5」の指番号で弾きましたが、例えばこれを「1・3・4・5」で弾いてみます。
「ミ・ラ」を「3・4」で弾こうと思うと、指がつりそうでとても大変ですよね。
特に「3・4間、4・5間」は指を開きにくいですし、早い動きも行いにくくなります。
つまり、「3・4間、4・5間」で大きく開かなくてもいいように親指をうまく使った運指を考えることが重要になります。
私自身も、今まで指番号を気にせず弾いていたフレーズでミスを繰り返していた部分も、このことを意識することでミスをせずに弾けるようになったことがありました。
読者様も「なんだかうまく弾けない」という部分があれば、こんな風に指番号を見直してみると、「このほうが弾きやすいわ!」という発見があるかもしれませんよ♪
また今後も、「練習でうまく弾けない部分をこんな工夫をしてみるといいですよ」という練習のポイントを紹介していきたいと思います!
ピアノの楽譜を無料で手に入れて、指番号もしっかりチェックしよう!
今回は、指番号つきの無料楽譜の閲覧・ダウンロードができるサイトの紹介と、指番号のついていない楽譜に指番号をつける方法の説明をしてきました。
読者様もぜひ、好きな曲や弾きたいと思っていた曲を気軽に探して練習してみてはいかがでしょうか?
これからピアノを始める、またはしばらくピアノを弾いていなかったから弾けるようになるか心配という方も、大人になってからピアノを始めることや再開することにはメリットもたくさんありますよ!
また、今回は指番号を見直すことでミスを減らし、メロディーをスムーズに弾けるようになることに繋がることもお伝えしました。
今までの練習でつまづいていた部分や、音の高低の間隔が広くて弾きづらかった部分で、このことをぜひ活かしてみてくださいね♪