ピアノアレンジされているカノンの魅力に迫る!クラシックの名曲

 

読者様は、パッヘルベルのカノンというクラシック曲をご存じでしょうか?

 

おそらくどこかで耳にしたことのある曲だと思います。

 

私はこの名曲カノンは、世界で最も美しい曲の一つだと思っています。

 

聴いているととても心地良く、何度聴いても心が洗われるような感覚になります。

 

子どもの頃は、姉がピアノで弾いていたのを聞いていて、すごくきれいな曲なので自分も弾けたらなと思った記憶があります。

 

それは大人になって音楽を再開したあとですが実現することができました。

 

パッヘルベルのカノン・・・

 

曲名からはピンとこない方もいるかもしれませんが、曲を聴くと思い出すことでしょう。

 

メロディーは知っていても、作曲者や曲について詳しく知らないという方は多いと思います。

 

昔、パッヘルベルは200以上もの曲を生み出していますが、唯一といっていいほどカノンだけが今でも親しまれています。

 

パッヘルベルの他の曲って知らないですよね?(私も思いつかないです(笑))

 

今回は、そんなちょっと謎めいた名曲カノンと作曲者パッヘルベルについてまとめてみました。

 

メロディーだけじゃなく、曲について深く知ってみるときっと新しい発見がありますよ。

 

よかったら最後までお付き合いくださいね。

 

ピアノアレンジもされているカノンを深堀り

 

パッヘルベルの代表曲ともいわれるカノンは、1680年付近に作曲されたと言われています。

 

今からさかのぼって300年以上も前のことですね。(すごく歴史を感じます!)

 

パッヘルベルのカノンはその人気から、現代ではさまざまなアレンジをされていて、吹奏楽やピアノソロ等として演奏されています。

 

そしてその優しいメロディゆえ、シーンを問わず今でも使われることの多い曲です。

 

卒業式や結婚披露宴などのBGMとしても使われ、人々の感動を誘います。

 

そういった名曲カノンですが、パッヘルベルが残した唯一の「カノン様式」の作品とも言われています。

 

カノン様式ってなに?と思われた方も大丈夫です。これから順に説明しますね♪

 

パッヘルベルのカノンはどんな曲?

パッヘルベルのカノンはこのような曲です。

 

良かったら聴いてみてください♪

 

忘れてしまっている読者様も、冒頭のハーモニーで「あっ!この曲ね」と思い出すと思います。

 

 

あ~!やっぱり癒されますね~!

 

最初穏やかにスタートし段々と盛り上がっていってサビでは華々しく、曲の終わりにかけて豊かな響きが続きますね。

 

それでは、ピアノアレンジされたカノンはどんな曲でしょうか?

 

 

うんうん。ピアノもいいですね!

 

弦楽器からピアノに楽器が変わっても、とても聞きやすく心動かされるようなあの感じは失っていません。

 

ピアノの優しい音色がカノンの良さを引き立てているようにも聞こえますね。

 

カノンは一曲のなかの一部?

実はよく耳にするカノンは「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーク ニ長調」の第一曲にあたるんです。

 

つまり、原曲としては「カノン」と「ジーク」で一組の曲なんですね。

 

カノンの人気が高すぎてカノンのみで演奏されることがほとんど。

 

ジークは演奏機会があまりないという現状があります。

 

私もジークは聴いたことがありませんでした(笑)

 

1分半ほどなので良かったら聴いてみてください。

 

カノンのイメージとは全く異なるので驚かれるかもしれません。

 

 

カノン様式とは?

カノンというのは様式のことであって、固有名詞ではないんです。

 

実はあの有名なバッハも、カノンを作曲しています。

 

カノン様式は主題の追いかけっこのようなもので、簡単に言うと輪唱です。

 

輪唱といえば、童謡の「かえるのうた」もそうですよね。(そこまで簡単なものではありませんが(笑))

 

メインパートが奏でたフレーズをサブパートが模倣しながら進んでいく流れになっています。

 

単純と言えば単純なこのカノン様式の曲は、パッヘルベルの高い技術のおかげで素晴らしい曲となっているんです。

 

何度聴いても不思議と飽きさせない、また聴きたくなるような魅力的な曲。

 

リズムが繰り返されることで覚えやすく親しみがもてるんですね。

 

パッヘルベルはどんな人?順風満帆な人生だった?

ではパッヘルベルはどのような人物だったのでしょうか?

 

パッヘルベル(Johann Pachelbel/1653-1706年)は、バロック時代に活躍したドイツの作曲家です。

 

気になるお顔はのちほど♪

 

バロック時代といえば、バッハやヘンデルが有名ですが、パッヘルベルはこの人たちよりも先輩にあたります。

 

また、パッヘルベルはバッハのお父さんと交流があり、バッハのお兄さんに音楽を教えていたそうです。

 

そういうことからバッハにも音楽的な影響を与えたと言われているんです!

 

パッヘルベルは、オルガン作品の評価が高くオルガン奏者として名声を得ていました。

 

彼の作品といえば、もっぱらカノンのみが取り上げられますが、オルガン曲、弦楽曲、声楽曲を多数、世に残しています。

 

当時は、パッヘルベルの曲は生前から人気が高く、多くの弟子がいたという話もあるほどです。

 

読者様、そろそろパッヘルベルのお顔が気になってきましたか?(笑)

 

彼は、有名とまではいかない存在なので、顔までは知らないという人がほとんどだと思います。

 

パッヘルベル

 

走り書きしてみるとこんな感じです。絵の上手い下手は別として、けっこうイケメンですよね!

 

パッヘルベルの生まれはというと、場所はドイツのニュルンベルク、1653年にワイン屋の息子として誕生します。

 

彼は幼少期、勉強がよくできたそうです。

 

音楽とは縁も所縁もないように思えますが、少年時代から音楽の教育を受けていて、学問と音楽の両方で非常に優れていたんだそうです。

 

20歳にはウィーンへ移住し、カトリックの音楽を学ぶなど熱心な一面がある一方、プライベートでは二度の結婚をしています。

 

初婚は1681年なのでこの付近でカノンが作曲されたと思われます。

 

人の心を和ませる名曲カノンはパッヘルベルの幸せの絶頂期に作られたのでしょうか。

 

しかし初婚から2年後の29,30歳の頃、悲しいことにパートナーと一人息子を伝染病で亡くしています。

 

そのときは辛かったろうと察してしまいますが、そのわずか10か月後に再婚をしています。(彼は立ち直りが早い?)

 

再婚の理由まではわかりませんが、パッヘルベルは音楽にだけじゃなく恋愛にも熱い男性だったのかもしれませんね。

 

その後、彼は再婚相手との間に5男2女をもうけているんです。(今の時代だと大家族ですね!)

 

晩年は故郷ニュルンベルクに戻り、宮廷音楽家を務めています。

 

ここまでいかがでしたか?

 

パッヘルベルの生涯を知る限りでは、最愛の妻と子を失うところからは順風満帆な人生だったとは考えにくいですが、私からすると羨ましい部分もたくさんあるなぁと思ってしまいました。

 

音楽も勉強もできる優秀なところとか、音楽で認められているところとか、子沢山なところとか…ねぇ♪

 

カノンはピアノで弾くと簡単?難しい?

元々ピアノ曲ではなかったカノンですが、ピアノアレンジされている楽譜は世の中にたくさん存在します。

 

バイオリン3つと低音パートのために作られた曲なので、この4パートをピアノで再現するとなると、難易度がかなり上がってしまいます。

 

でも安心してください!

 

編曲者たちによって、カノンは初級~上級者用までの幅広いピアノアレンジが実現されています。

 

自分のレベルに合わせて楽譜が選べるんですね。

 

まず初級者用ですが、左手は低音パート、右手はメロディーパートというように大変弾きやすい譜面になっています。

 

1ページ目だけですが目で見て確認してみてください。

 

カノン初級

 

レベルを上げて上級者用に近づくほど、原曲に近い構成の編曲になっていきます。

 

中上級者用の楽譜はこちら。

 

カノン中上級

 

一気に音符が増えて楽譜が黒~くなりましたね(笑)

 

原曲に近づくことで、パートごとの動きを理解して弾き分けるテクニックが必要になり、演奏するときには4パートの響きを壊さないよう心がけます。

 

中上級者用となると難しいかもしれませんが、まずは初級にアレンジされた楽譜を手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

大好きな曲を自分で弾けたときは本当に感慨深いです。

 

パッヘルベルのカノンが有名な理由は?

カノンという様式がおのずと親しまれるしくみをもっていたというお話をしましたね♪

 

もう一つの理由として、カノンに使われているコードにも名曲になった理由があると考えられます。

 

カノンはとても快く耳に響くコード進行が特徴的です。

 

カノンのコード進行は、大逆循環や黄金コードといわれるほどです。

 

それはつまり、「美しい曲を作りやすい」コードなんです。(D→A→Bm→F#m→G→D→G→A)

 

バロック時代から現代まで、多くの作曲家が愛用しているカノンコードは、ポップスにおいても広く用いられ、それがヒット曲になっているんです。

 

山下達郎さんの「クリスマス・イブ」や森山直太朗さんの「さくら」、夏川りみさんの「涙そうそう」にも使われています。

 

読者様もよく知っている曲ばかりですよね。

 

ではカノンコードを詳しくみていきましょう。

 

実はこのあと面白い発見がありますよ♪

 

ちょっとコードは難しいなと思う方は流し見してくださいね。(でもコードはハマるとすごく楽しいのでおすすめです!)

 

コードに対応する音を赤丸印で示しています。

 

 

次に、前の項目でも取り上げたピアノ譜(中上級者用)の出だしがこちらです。

 

 

左手で「レ ラ シ #ファ ソ レ ソ ラ」と弾きます。次の小節も繰り返していますね。

 

コードでのそれぞれの最低音と、ピアノ譜の左手パートの音が全く同じですよね!

 

これがカノン(黄金)コードです。(わかってもらえましたか?)

 

ちなみに、カノンの原曲では一曲のなかにこの黄金コードを、低音パートが延々56小節も繰り返しています。

 

この数字を聞くと修行のようにも思えてきますね(笑)

 

ここまでいかがでしたか?

 

今回はたった一曲のことについて語ってきましたが、色々わかってくると面白いですよね。

 

パッヘルベルのカノンは作曲されてから約340年もの間、どれだけの人の心を和ませてきたのでしょうか。

 

これから先もこの曲を聴いて癒される人が途絶えることはないと思います。

 

最後になりましたが、読者様もこの名曲カノンをピアノで弾いてみたいと思ってもらえてたら嬉しいです。

 

ピアノはちょっとハードルが高いな・・・という方も、音楽を聴くという趣味をもつことから始めてみませんか?

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。