【ピアノ曲・アラベスク】意味は?作曲家別に聞き比べよう!

 

 

読者様は、ピアノ曲で「アラベスク」と聞いたらどの曲を思い出しますか?

 

ブルグミュラー?それともドビュッシー

 

どちらも、素敵な曲ですよね。

 

 

ところで、「アラベスク」という意味をご存じでしょうか?

 

「アラベスクの意味を良く分からず、演奏していた…」という読者様もいらっしゃるかと思います。

 

 

そこで今回は、

・ピアノ曲 「アラベスク」の意味とは?

・作曲家別 「アラベスク」の曲紹介

 

2つことについて詳しく説明してきます。

 

この記事を読んだら、今まで知っていた「アラベスク」の事に詳しくなり、さらに、他の作曲家の「アラベスク」にも興味がわいてくる事と思います。

 

なんとなく弾いていたという方も、情景が浮かびやすくなり、気分をのせて弾けるようになってきますよ。

 

 

ぜひ最後まで、ご覧くださいね。

 

 

ピアノ曲「アラベスク」の意味は?

 

まずは、様々な用語の「アラベスク」の意味について、解説します。

 

1.アラビア風の装飾模様。文字・蔓草(つるくさ)・幾何学図形などを図案化したもの。唐草模様。

2.装飾的、幻想的な内容の楽曲。

3.クラシックバレエの基本的な体勢の一つ。右手を斜め上に、左手を斜め下に右足で体重を支え、左足は斜め後方に上げる。

引用:goo辞書

 

それぞれの意味について、詳しく見ていきましょう。

 

 

ピアノ用語のアラベスクの意味「装飾的・幻想的」とは?

ピアノ曲に対するアラベスクの意味は、先に挙げた3つの意味の中で「2.の装飾的、幻想的な内容の楽曲」にあてはまります。

 

では、装飾的、幻想的とはどのような意味でしょうか?

 

装飾的…そのものをより美しくするために飾りを施してあるさま。デコラティブ。

引用:コトバンク

 

 

幻想的…現実の世界から離れた、夢を見ているようなさま。ファンタスティック。

引用:コトバンク

 

コトバンクを集約すると、ピアノ曲の「アラベスク」は、美しい細やかな演奏で、現実とは違った世界観を表現している楽曲ということが分かります。

 

 

また、アラビア風の装飾模様から派生して、『反復』という意味も持っていると解釈する場合もあります。

 

反復」とは、同じことを何度も繰り返すという意味です。

 

 

アラベスクという曲目では、どの曲も同じフレーズが何回も登場します。

 

また、音と音が交差して滑らかに弾く表現を「右手と左手がつる草のように絡まるように」と説明している方もいらっしゃいました。

 

 

これらから、「1.アラビア風の装飾模様。文字・蔓草(つるくさ)・幾何学図形などを図案化したもの。唐草模様」という意味も少なからずピアノ用語の「アラベスク」に含まれることが分かりますね。

 

 

次は、アラビア風の装飾模様を見ていきましょう。

 

 

アラビア風模様の「アラベスク」とは?

ピアノ用語の「アラベスク」でも触れましたが、実際のアラベスク模様も見てみましょう。

 

アラビア風の装飾模様の意味を持つ「アラベスク」は、文字・蔓草(つるくさ)・幾何学図形・唐草模様の装飾模様などをパターン化したデザインです。

 

 

の画像をご覧ください。

 

free-arabesque-patterns22

引用:いぬらぼ

 

画像を見ると、様々なデザインがあることが分かりますね。

 

細かい柄もあれば、大きな柄もあり、様々な模様を楽しめます。

 

普段からアジアンテイストを好まれる方には、このような柄をお好きな方も多いのではないでしょうか。

 

 

さて、ここまでピアノ用語とアラビア風の模様の説明してきましたが、その他にバレエ用語の「アラベスク」の意味もあります。

 

バレエ用語の「アラベスク」も簡単に説明していきますね。

 

 

バレエ用語の「アラベスク」とは?

クラシックバレエの体勢を意味する「アラベスク」とは、どのような形なのでしょうか?

 

バレエ用語を意味する「アラベスク」は、右手を斜め上に、左手を斜め下に右足で体重を支え、左足は斜め後方に上げるポーズと説明されていました。

 

下の画像をご覧ください♪

 

バレエのアラベスクのポーズは、踊りに多様性を与えてくれます。

引用:All About趣味

 

よく見かけるポーズですよね。

 

このポーズをアラベスクと言うんだ!と思った方もいらっしゃるはずです。

 

アラベスクは、バレエの中でも基本のーズとなります。

 

 

以上、ピアノ用語、アラビア風の模様、バレエ用語、3つのアラベスクの意味について説明していきました。

 

 

ピアノ用語としての「アラベスク」の意味を理解することが出来ましたでしょうか?

 

 

次の章では、様々な作曲家の「アラベスク」を聞き比べてみましょう。

 

 

作曲家別「アラベスク」の曲紹介

 

読者様は、「アラベスク」というと、どの作曲家の「アラベスク」を思い浮かべますか?

 

アラベスクを代表をする有名な作曲家は3名いらっしゃいます。

 

有名な「アラベスク」作曲者
・ブルグミュラー
・ドビュッシー
・シューマン

 

ブルグミュラーとドビュッシーの「アラベスク」は有名ですので、「聞いたことがある」または、「演奏したことがある」という方が多くいらっしゃるかと思います。

 

 

実は「アラベスク」というタイトルのピアノ曲は、ブログミュラーやドビュッシーではなく、シューマンがはじめに作曲しました。

 

 

そして、シューマンが「アラベスク」を作曲したことにより、「装飾的」「幻想的」という意味が生まれてきます。

 

 

アラベスク=「装飾的」「幻想的」の原点である、シューマンの「アラベスク」をまずはひも解いてましょう。

 

 

シューマン 「アラベスク」 ハ長調 Op.18

ロベルト・シューマン - Wikipedia

引用:Wikipedia

 

ロベルト・アレクサンダー・シューマン (1810年~1856年)

 

 

ドイツ・ロマン派を代表する作曲家で、交響曲や、合唱曲まで幅広い分野で活躍した方です。

 

主な作品は、「トロイメライ」や「ピアノ協奏曲」など。

 

シューマンの「アラベスク」はまさに、装飾的で幻想的な曲調を表現しています。

 

Ptna 005697

引用:ミュッセ

 

楽譜を見ると、分かるかと思いますが、右手は付点音符の繰り返し、左手は、流れるような一定のリズムで構成されています。

 

下の動画では、ピアノ演奏の音源をご紹介しています。

 

シューマン/アラベスク ハ長調,Op.18 演奏者:アンドレイ・ピサレフ

引用:YouTube

 

曲を聞いてみると、とても細やかな指使いで幻想的な印象を受けますね。

 

明るさがあり、穏やかなイメージの曲調です。

 

 

シューマンは、ドイツロマン派の代表的な作曲家の一人で、ベートーベンやシューベルトのロマン的音楽の後継者として位置づけられています。

 

シューマンの妻であるクララ・シューマンも「19世紀最高の女性ピアニスト」と称されています。

 

妻クララ・シューマンの半生を描いた映画では、シューマンの人間らしい一面も垣間見ることができますよ。

 

 

ブルグミュラー 「アラベスク」 25の練習曲より

Friedrich Burgmüller.jpg

引用:Wikipedia

 

ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルグミュラー(1806年~1874年)

 

ドイツの作曲家で、有名な曲は、ピアノ入門教本「25の練習曲」や「18の練習曲」です。

 

アラベスクは、「25の練習曲」の2番目に出てきます。

 

引用:ピティナ・ピアノ曲辞典

 

はじめ、左手は四分音符のリズムで和音から始まります。

 

比較的簡単なフレーズが続くので、初級後半の練習曲に使用される事が多いそうです。

 

 

ピアノ音源は、下にご紹介しています。

 

ブルグミュラー/アラベスク 演奏者:737guam

引用:YouTube

 

ピアノを習っていた方なら、聞き馴染みのある曲かと思います。

 

ブルグミュラーの『25の練習曲』は、ヤマハの教本に用いられているので、個人のピアノ教室でも使用している方が多くいらっしゃるでしょう。

 

 

 

曲を聴いてみると、規則正しいリズムの伴奏でフレーズが少しずつ変化していっているのがわかります。

 

 

 

ドビュッシー 「アラベスク」 第1番 第2番

Claude Debussy ca 1908, foto av Félix Nadar.jpg

引用:Wikipedia

 

クロード・ドビュッシー (1862年~1918年)

 

ドビュッシーは、フランス生まれの作曲家です。

 

伝統にとらわれない、独自の自由な和声法を用いて作曲し、19世紀後半~20世紀初頭に最も影響力を与えました。

 

有名な楽曲は、「海」や「夜想曲」です。

 

引用:ミュッセ

 

ドビュッシーのアラベスクは、よくCMや挿入曲に使用される楽曲です。

 

例えば、ケータイ電話auの三太郎シリーズやファイナルファンタジーなどに起用されています。

 

 

こちらに音源があるので、聞いてみてください。

 

ドビュッシー/アラベスク 第1番 演奏者:CANACANA family

引用:YouTube

 

『この曲はCMで聞いたことがあったけれど、アラベスクっていう題名だったんだ!』と、初めて曲と題名が一致した方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

 

ドビュッシーのアラベスクは、第1番と第2番があります。

 

よくCMに起用されるフレーズは、第1番なんですね。

 

 

ちなみに、第2番の曲はこのような楽曲です。

 

ドビュッシー/アラベスク 第2番 演奏者:森本麻衣

引用:YouTube

 

第1番は、穏やかな曲調でしたが、第2番は、軽やかにスキップをしているような曲調から始まります。

 

Ptna 000202

引用:ミュッセ

 

右手の細かい指使いのフレーズが、ことりのさえずりのようにも聴こえてきますね。

 

 

3つのアラベスクの聞き比べはいかがでしたか?

 

 

すでに知っていた「アラベスク」も比較することで、情景が浮かびやすくなったのではないでしょうか。

 

 

いままで、触れてこなかった「アラベスク」の魅力を知ることができたら幸いです♪

 

 

 

【ピアノ曲・アラベスク】意味は?作曲家別に聞き比べよう! まとめ

 

今回は「アラベスク」について、言葉の意味や、作曲家別の「アラベスク」を聞き比べてみました。

 

アラベスクについて理解を深められましたでしょうか?

 

ピアノ用語では、「装飾的」「幻想的」の意があり、ピアノ用語だけでなく、「アラビア風の模様」を指したり、「バレエのポーズ」を指すことも分かりました。

 

知識のひとつとして頭に入れておくと会話が弾むと思いますよ。

 

 

 

また、作曲家別の「アラベスク」の聞き比べてみて、読者様はどれがお好みでしたでしょうか?

 

今回この記事を読んで、「アラベスク、ちょっと弾いてみたいな♪」と思った読者様がいらっしゃいましたら、ぜひコメントをお待ちしています!

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。