ピアノは、私たちの生活の中で身近に存在している楽器の一つです。
そんなピアノは、何楽器なのでしょうか?
ピアノは、鍵盤楽器や打楽器、弦楽器など複数の要素を併せ持っていますね。
「結局何楽器なの?」と疑問に思われている読者様も多いでしょう。
ピアノはバイオリンなどより新しい楽器で、現在の形になったのは19世紀に入ってからになります。
17世紀にチェンバロを改良してピアノの原型が作られました。
そこから国を渡りながら改良が重ねられ現在の形になります。
楽器の分類の仕方やピアノの成り立ちの歴史を理解することで、新たなピアノの魅力を発見してみませんか?
この記事からわかる事は、次の3つです。
ピアノのことがわかれば弾き方が変わり、音が変わり上手になります。
ピアノについて知ることでよりピアノの音を楽しめますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
ピアノは打楽器?
ピアノは、音域や音色、音の強弱の出し方が楽器の中で最も幅広く表現できる楽器です。
ピアノの奏法として弦楽器のようにも打楽器のようにも弾くことができます。
楽器は、音の慣らし方で3つに分類されています。
こちらが楽器を特長別に分けた表になります。
特長 | 楽器 | |
弦楽器 | 弦に刺激を与えて音を鳴らす | ヴァイオリン、琴など |
打楽器 | 打つ、こする、振るなどで音を鳴らす | 太鼓、タンバリンなど |
管楽器 | 筒に空気を吹き込み振動させることで音を鳴らす | トランペット、フルートなど |
※管楽器は、金管楽器と木管楽器に分けられる。
- 唇で振動させる金管楽器→トランペット、トロンボーンなど
- 唇を振動させない木管楽器→フルート、リコーダーなど
ピアノは、弦に刺激を与える弦楽器と、ハンマーで弦を叩く打楽器、2つの要素を併せ持っていることから「打弦楽器」ともいわれています。
ピアノの中には約220~230本の弦が張られていて、鍵を押すと鍵に連動したハンマーが弦を叩いて音が出ることから、「鍵盤楽器」の一種でもあります。
ピアノは音楽家たちの要望に応えながら長い年月をかけて作られました。
楽器が持つ3つの要素のうち2つの要素を持っているピアノは新しい楽器の形といえるでしょう。
ピアノの成り立ち
ピアノはヴァイオリンなどと違い、鍵盤を押すと簡単に音が出る仕組みになっています。
したがって、音を出すためにピアノの仕組みを知らなくてもかまわないのです。
しかし、ただ音を鳴らして演奏するだけでなく、音に感情を乗せるには弾き方に工夫が必要です。
ピアノの成り立ちがわかると、ピアノの特徴をさらに理解できますよ!
簡単ではありますが、ピアノの歴史をまとめてみました。
- 17世紀にイタリアの楽器制作家であったクリストフォリがチェンバロを改良してピアノを制作。
- クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテと名付けられる。
- ドイツのオルガン制作家であるジルバーマンがバッハのアドバイスを得て改良を重ね、新しいピアノが誕生する。
- ジルバーマンによって新しく作られたピアノがポツダムの宮殿で使われるようになる。
- 18世紀後半、ピアノ製作はウィーンを中心に盛り上がる。
- 19世紀、産業革命の後押しもありピアノは大きく改良され今の形に近づく。
- 19世紀末ごろ、現在の形が出来上がる。
今でも改良や新しい技術の研究が続いています。
そして、楽器の改良には欠かせない作曲家との関わりがあります。
ピアノの誕生と作曲家の関係
楽器をよりいいものに作り替えていくときの原動力は現状への不満です。
ピアノの原型を作ったクリストフォリは、チェンバロには音の抑揚を出せないことに不満を持っていました。
そこで、当時オルガンやチェンバロの名手だったバッハの協力を求めました。
その結果、ハンマー仕掛けで弦を打って音を鳴らすメカニズムが発明されます。
当時の音域は50鍵前後4オクターブです。
また、19世紀には、ベートーベンのもとで、今に近い形(88鍵7オクターブ+4鍵)へ改良されました。
たくさんの時間をかけてピアノはたくさんの改良を重ねて今があります。
ピアノとチェンバロの違い
チェンバロの特徴
- 爪で弦を弾いて音を鳴らす「撥弦楽器」である
- 音の強弱をつけられない
ピアノの特徴
- ハンマーで叩いて弦を振動させて音を出す「打弦楽器」である
- 音の強弱をつけられる
- ペダルをつけることで音を持続させられる
クリストフォリが発明したピアノと現在のピアノの違いは、「音色」。
チェンバロを改良した「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」の音色は、チェンバロに近い音色になります。
この記事では、ピアノが誕生した背景がよくわかります。
【ピアノの歴史】ピアノが完成するには前身となる楽器が存在した?!
ピアノの種類
17世紀に誕生したピアノは、音楽家の欲求を満たすためさまざまな改良を重ねてきました。
今も改良や研究が続いているピアノは、アコースティックピアノと、機械的に進化した電気ピアノ・電子ピアノに分類されます。
それぞれの特徴にはどんなものがあるのか紹介します。
アコースティックピアノ
グランドピアノはアコースティック楽器に分類されます。
弦が水平に伸び、響板に音を増幅させることでハンマーで弦を叩いた音が大きくなって音が出る構造になっています。
長く弦が張られた奥行きのある(響板が大きい)ピアノの方が響きが良いです。
コンサートホールなどに設置されています。
アップライトピアノもアコースティック楽器に分類されます。
グランドピアノに比べると音の響きは劣りますが、響板を鉛直方向に配したコンパクトなピアノ。
グランドピアノでは、ハンマーが反動と重力で下に落ちるのに対してアップライトピアノは前後に動く構造になっています。
学校の音楽室やピアノ教室などでよく使用されます。
電気ピアノ・電子ピアノ
エレクトリックピアノは日本語にすると電気ピアノとも呼ばれ、フェンダーローズなどが有名です。
音響部分に電気回路を加えてアンプとスピーカーから音を再生します。
仕組みが複雑で調律などメンテナンスが必要です。
今はメンテナンスの必要がない電子ピアノやシンセサイザーが主流です。
電子ピアノはアコースティックピアノを電子化したもので、アコースティックピアノに近い鍵盤のタッチと音色を再現しています。
打鍵に合わせてあらかじめ録音してある音源を再生することで音を出す仕組みです。
調律の必要がなくヘッドフォン着用も可能なため自宅で音を気にせず練習ができます。
ピアノはすごい楽器だった
ピアノは、打楽器の要素と弦楽器の要素を取り入れた新しい形の鍵盤楽器といえるでしょう。
- ピアノは打楽器の要素と弦楽器の要素を併せ待っている
- 鍵盤を押して音を出す仕組みから鍵盤楽器にも分類できる
ピアノは17世紀に誕生し19世紀末ごろ今の形になりました。
今の形になるまで著名な音楽家と楽器製作者が改良を重ねています。
音楽の父といわれるバッハと楽器製作者のクリストフォリが、チェンバロからピアノの原型であるハンマー仕掛けで弦を打って音を鳴らすメカニズムを発明します。
そして、ベートーベンと共に音域を5オクターブから8オクターブまで広げます。
今もなお進化を続けているピアノは、アコースティックピアノとデジタルピアノに分類できます。
アコースティックピアノには、グランドピアノとアップライトピアノがある
- グランドピアノ→弦を地面と水平に貼っているため、長く弦を張るほど振動も大きくなり音もよく響く
天井が高く広い空間の方がよく音が響くため大きな部屋に設置するのが理想
- アップライトピアノ→弦を地面と垂直に張っていて弦を叩くハンマーをねじの力で元に戻すことで音を出す
グランドピアノより音色は劣るが設置スペースはあまりとらないため、家庭で最も多く利用されている
機械的に進化したピアノには、エレクトリックピアノや電子ピアノがある
- エレクトリックピアノ→音響部分に電気回路を加えて音を出す仕組みで、調律などメンテナンスが必要
- 電子ピアノ→アコースティックピアノをデジタル化したもので、調律の必要がない
ヘッドフォン着用が可能で家庭で音を気にせず練習が可能
バッハの時代のピアノ曲とベートーベンの時代のピアノ曲では表現の幅が格段に違っていて、聞き比べると面白い発見ができそうです。
このようにピアノの誕生した背景がわかるとよりピアノを身近に感じられます。
ピアノを身近に感じられると、弾き方もより音を楽しみながら弾けそうですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。