ピアノシーンで泣ける!101回目のプロポーズ(相関図・あらすじ・感想)

 

読者様は、武田鉄矢さん主演のドラマ「101回目のプロポーズ」をご存じでしょうか?

 

あの有名なセリフ「僕は死にましぇん!」が、1991年の新語・流行語大賞の大衆部門で金賞を受賞したことでも話題になりました。

 

実はこのドラマでは、ショパンのピアノ曲「別れの曲」が重要な意味を持っているんです。

 

トレンディードラマとクラシック音楽、意外な組み合わせが印象に残っている人も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は「101回目のプロポーズ」を実際に見てみたので、私なりの感想をお伝えしたいと思います!

 

※一部ドラマのネタバレを含む可能性がありますので、ご注意ください!

 

《ピアノドラマ紹介》「101回目のプロポーズ」のあらすじは?(ネタバレ注意)

引用:FOD「101回目のプロポーズ」

 

「101回目のプロポーズ」は、1991年にフジテレビの「月9」枠で放送された連続ドラマです。

 

トレンディードラマの絶頂期に、武田鉄矢さんが演じる不器用な中年男性と、浅野温子さんが演じる美人のチェロ奏者との異色の恋愛が話題になりました。

 

残念ながら、私はリアルタイムではドラマを見られなかったのですが、ショパンのピアノ曲「別れの曲」が使われているということで、気になったので全話を見てみました(笑)

 

ここからは、「101回目のプロポーズ」の主な登場人物とあらすじを紹介していきます。

 

放送された当時にこのドラマを見ていた人も、「そういえばこんなストーリーだった!」と思い出してもらえればうれしいです♪

 

主な登場人物(カッコ内は役者名)

達郎(武田鉄矢)
長年建築会社に勤めているが、後輩たちが出世する中、自分はずっと係長のままでいる。
これまでの99回のお見合いに失敗し、結婚式当日に花嫁に逃げられた経験もある。
42歳で独身。
薫(浅野温子)
オーケストラに所属しているチェロ奏者。
3年前の結婚式当日に新郎の真壁が交通事故に遭い、帰らぬ人となった。
30歳で独身。
純平(江口洋介)
達郎の弟。達郎とは20歳離れており、22歳の大学生。
母親を小さい頃に亡くし、父親も2年前に他界している。達郎と二人暮らし。
兄思いで、薫の妹である千恵と協力して達郎と薫をくっつけようとする。
千恵(田中律子)
薫の妹。20歳の大学生。
純平と同じ大学に通う。薫と二人暮らし。
ヴァイオリン奏者の尚人のことが好きだが、尚人は姉の薫にプロポーズする。
尚人(竹内力)
薫と同じオーケストラに所属するヴァイオリン奏者。
28歳で独身。
薫のことが好きでプロポーズするが、断られる。
涼子(石田ゆり子)
達郎と同じ会社の新入社員。
上司の部長からセクハラを受けており、達郎に相談する。
達郎と純平の家で料理を振る舞うなど家庭的な一面があり、純平が片思いしている。
桃子(浅田美代子)
薫の友人であり、良き相談相手。
薫を講師にした子ども向けのピアノ教室を勝手に企画するなど、少し強引なところもある。
藤井(長谷川初範)
達郎の上司として着任した。
娘が一人いて、妻とは離婚している。
薫の亡くなった婚約者の真壁(長谷川初範が二役)にそっくりで、薫と親しくなる。

 

人物相関図

(人物相関図は筆者作成)

 

あらすじ

ドラマ「101回目のプロポーズ」

建築会社に勤める達郎は、これまで99回のお見合いを断られている。
一方、チェロ奏者の薫は、3年前に亡くなった婚約者のことが忘れられないでいた。
薫は気分転換にお見合いをすることにし、達郎の100回目の見合い相手となる。
達郎のことは全く恋愛対象として見ることができない薫だが、一途に自分を追いかける達郎に徐々にひかれていき・・・。

 

 

《ピアノドラマ紹介》「101回目のプロポーズ」を見た感想(ネタバレ注意)

 

ここまで読んで、ドラマの内容に興味を持っていただけましたか?

 

ここからは、ドラマ「101回目のプロポーズ」を見た私なりの感想についてお伝えしていきます!

 

私は薫と同世代なので、どうしても武田鉄矢さんより浅野温子さんの方に感情移入してしまいますが、ご了承ください(笑)

 

家族愛にも感動するドラマ

 

「兄貴!カッコ悪いを通り越して、すげーカッコいいよ!!」

 

これは、すべてを失った達郎に向かって弟の純平が言った言葉で、私がこのドラマの中で一番感動した言葉です!

 

婚約を破棄され、仕事も辞め、司法試験にも失敗した情けないところばかりの達郎ですが、純平にとっては尊敬する兄貴だということが伝わってきました。

 

ずっと近くで見てきた家族に、こんな言葉をかけられたらうれしいですよね。

 

私はこのシーンを見ながら号泣してしまいました!

 

このドラマでは、達郎と薫の関係がメインの軸として描かれていますが、二人のそれぞれの家族の思いにもグッときます。

 

特に、達郎の弟の純平と、薫の妹の千恵はとても兄姉思いで、主人公の二人が優柔不断な時には厳しく叱り、落ち込んだ時には優しく慰めます。

 

二人をくっつけようとするあまり、空回りしてしまうこともたくさんありますが(笑)

 

家族だからこそ心配し応援してくれる、主人公の二人にとって絶対的な味方なんですよね。

 

一方で、純平と千恵もくっつきそうでくっつかないので、とてもヤキモキしながら見ていました。(完全にドラマにはまってますね・・・)

 

続編で純平と千恵の物語があったら、絶対に見ます!!

 

このドラマは、上に載せている人物相関図からもわかるように、登場人物が多く複雑な人間関係になっています。

 

主人公の二人だけのラブストーリーにとどまらず、周囲の家族や友人も巻き込んで広がっていく展開に、見応えを感じられるドラマです!

 

ぜひ、じっくり見てみてくださいね♪

 

「別れの曲」の悲しい思い出

 

「タイトルが『別れの曲』なんて、縁起が悪いじゃない?」

 

「僕たちは違うよ」

 

これは薫と亡くなった婚約者の真壁との会話で、二人の不幸な未来を予言しているかのようなセリフです。

 

「僕たちは違う」と言う真壁ですが、挙式当日に交通事故で亡くなってしまい、本当に二人は永遠の「別れ」となってしまうんですよね。

 

結婚式の当日に亡くなるなんて、とてもショックですよね。

 

もし私が同じ状況だったとしたら、怖くてもう一生結婚式を挙げられないと思います・・・。

 

なぜ「別れの曲」の話をしているかというと、真壁はピアニストで、この曲が好きだったからです。

 

上のセリフも、真壁がグランドピアノで「別れの曲」を薫に聴かせているシーンでの会話です。

 

ドラマの中では、薫が真壁を思い出す場面で毎回この曲が流れ、薫自身がピアノで「別れの曲」を演奏するシーンもあります。

 

薫にとって、とても思い入れのある曲だということが伝わってきました。

 

ところで、上のセリフでは曲のタイトルについて触れられていますが、実は「別れの曲」と呼ばれているのは日本だけなんです!

 

「別れの曲」は、ショパンが出版した「エチュード集(練習集)Op.10」の全12曲のうち第3番の通称です。

 

1934年公開のショパンを描いた伝記映画の邦題が「別れの曲」と付けられ、この曲が映画のメインテーマだったことから、そのまま「別れの曲」として親しまれるようになったそうです。

 

ドラマの中では「真壁との別れ」を表現する曲として使われていますが、ショパン自身が「別れの曲」として作曲したわけではなかったのですね。

 

一説によると、ショパンはこの曲について「これ以上美しい旋律を作ったことはない」と語ったそうです。

 

ショパンが自画自賛するのもわかるくらい、優しく切ないメロディーですよね。

 

私もとても好きな曲の一つです!

 

ピアノで弾きたい!ドラマで流れる「別れの曲」の難易度は?

 

前章でお伝えしたように、「101回目のプロポーズ」ではショパンのピアノ曲「別れの曲」がところどころでBGMとして流れます。

 

「別れの曲」を聞くと、このドラマを思い出す読者様も多いのではないでしょうか?

 

ところでこの曲、ピアノを習っている人にとても人気があるんです。

 

ゆっくりなテンポの曲なので弾きやすいのでしょうか?

 

ここからは、「別れの曲」について詳しく解説していきます。

 

ショパンが練習曲として作曲

「別れの曲」は、1832年、ショパンが22歳(諸説があります)の頃に作曲されました。

 

「別れの曲」は、ショパンが出版した「エチュード集(練習集)Op.10」に収められており、実はピアノの練習曲として作曲されたんですね。

 

ちなみに、同じくショパンの有名なピアノ曲「革命」も、同じエチュード集の第12番です。

 

「革命」が誕生した背景については、《ピアノ漫画紹介》手塚治虫「虹のプレリュード」(ネタバレ注意) で解説しています。

 

併せてお読みください♪

 

 

ドラマで流れる「別れの曲」は、こちらの動画でピアノ演奏されています。

 

4分45秒の短い動画なので、ぜひ実際にお聴きになってみてください♪

 

 

人気があるけど弾くのが難しい!!

この「別れの曲」は、ピアノを習っている人にも人気の曲で、私が昔通っていたピアノ教室の発表会でもよく演奏されていたのを覚えています。

 

学校の卒業式で、BGMとして使われている地域もあるようですね。

 

ショパンの「別れの曲」をピアノで弾けるようになりたい!と私も小さい頃から憧れていました。

 

そんな「別れの曲」、実は全音ピアノピースというピアノ曲集では、なんと最難関の難易度Fランク(上級上)に設定されています!!

 

 

なぜそんなに難易度が高く設定されているのでしょうか?

 

「別れの曲」を弾くのが難しい理由は、主にこの2つが考えられます。

 

「別れの曲」が難しい理由
  1. 曲の中間部のテンポが早く、譜読みも難しい
  2. メロディー・内声・低音部のバスの3つのパートがある

 

それぞれについて、詳しく解説していきましょう!

 

理由その1. 曲の中間部のテンポが早く、譜読みも難しい

「別れの曲」は大きく分けて3つの構成に分けられます。

 

冒頭のゆっくりしたテンポから、早いテンポの中間部に移り、再度ゆっくりしたテンポの冒頭部分に戻ります。

 

冒頭の部分はなんとか弾けても、この真ん中の中間部がとても難しいんです!!

 

テンポが早くなる上に、シャープやフラット、ナチュラルがたくさんある和音の連続で、譜読みするだけでも一苦労です・・・。

 

この中間部が、この曲の難易度を一気に押し上げています!!

 

理由その2. メロディー・内声・低音部のバスの3つのパートがある

通常の曲では、メロディーは右手で、伴奏は左手で演奏しますが、この曲は中間にもう一つ「内声」のパートがあります。

 

この「内声」のパートは、右手の親指と人差し指を中心に使って弾くことになるので、右手はメロディーと内声の二役を同時にこなさなければなりません。

 

通常の曲は右手と左手でそれぞれのパートを演奏しますが、さらにもう一つのパートが加わることで難易度が上がっています。

 

メロディーを弾きながら、時計がチクタクと鳴っているかのような「内声」パートについても、同じ手を使って一定のテンポと強弱を保って演奏する必要があります。

 

おそらくショパンも、指をトレーニングする目的でこのような練習曲を作ったのではないでしょうか?

 

それだけ、高い技術が必要とされる曲なんです。

 

こちらの動画では、曲の冒頭部分について、楽譜と照らし合わせながら演奏を聴くことができます。

 

内声のパートについても、注目してみてくださいね♪

 

 

ここまで読んで、読者様も「別れの曲」を演奏するなんて絶対に無理!と思ったのではないでしょうか?

 

ですが、安心してください!!

 

実はピアノを始めたばかりの人でも「別れの曲」を弾けるようになる方法があるのです。

 

ドラマの薫のように、ピアノで「別れの曲」が弾けるようになりたいですよね。

 

ここからは、ピアノ初心者が「別れの曲」を演奏する方法についてご紹介します!

 

ピアノ初心者がドラマのように「別れの曲」を演奏する方法とは?

 

「別れの曲」は、特にピアノを習っている人にとっては憧れの名曲ですよね。

 

ですが、いきなり挑戦しても、難しくて弾けないまま途中で挫折してしまうかもしれません。

 

私自身がそうだったのですが、憧れの曲が弾けるようになりたくて、つい背伸びして難易度が高い曲にチャレンジしてしまうんですよね。

 

私がどれほど無鉄砲でかっこつけたがりだったかについては、山あり谷あり?だけどやっぱりピアノが大好き!私の音楽人生の中でお話ししています。

 

ピアノの上達に大切なのは、自分に合ったレベルの曲を練習することです。

 

小さな成功体験を積み重ねていくことで、自信につながり、着実に実力がついていきます。

 

ですが、それは決して「別れの曲」を諦めるという意味ではありません。

 

ポイントは自分のレベルに合ったアレンジで練習することです。

 

そこで、私がオススメする「別れの曲」の練習方法はこちらの2つです。

 

オススメの「別れの曲」練習方法
  1. 中間部を省略する
  2. 初心者向けのアレンジがされた楽譜で練習する

 

ここから、さらに詳しく解説していきますね。

 

練習方法その1. 中間部を省略する

「弾けぬなら 飛ばしてみせよう ホトトギス」

 

思わず一句詠んでしまいました(笑)

 

中間部がとても難しいのなら、思い切って中間部を飛ばしてしまおう!という考え方ですね。

 

「えっ?!それって弾けるって言えないのでは?」と思う読者様もおそらくいることでしょう。

 

ですが、「別れの曲」と聞いた時に、ほとんどの人が思い浮かべるのは冒頭部分のメロディーではないでしょうか?

 

難しい中間部を弾けなくても、有名な冒頭部分のメロディーを弾けるようになれば、「別れの曲」を弾けると言っても良いと私は思います!

 

皆が知っているメロディーをピアノで弾けるようになれば、読者様のご家族やご友人もきっと「すごい!!」と言ってくれるはずです。

 

完璧を求め過ぎないことも、ピアノを長く続ける秘けつですよ♪

 

練習方法その2. 初心者向けのアレンジがされた楽譜で練習する

「弾けぬなら アレンジしよう ホトトギス」

 

イマイチな一句、失礼しました(笑)

 

実は、クラシック音楽でもレベルに合わせてアレンジされた楽譜があります。

 

オリジナルの楽譜では弾くのが難しい!という人は、より簡単にアレンジされた楽譜を使うことをオススメします!

 

 

さらに効果的なのは、楽譜の読み方や弾き方を丁寧に教えてくれるDVD付きの教材を使うことです。

 

その教材を使って、独学で「別れの曲」の練習を始めてなんと16日目で弾けるようになったという方もいるんです!

 

たとえ楽譜が読めなくても、DVDでピアノの先生が丁寧に解説してくれるので、上達スピードがとても早いです。

 

 

その教材では、難しい「内声」パートを左手の伴奏に組み込み、右手はメロディーだけになるようにアレンジされています。

 

私が思うに、このアレンジで弾ければ十分に「別れの曲」が弾けると言っていいと思います!

 

 

初心者向けにアレンジされた「別れの曲」が弾けるようになるDVD付きピアノ教材に興味のある方は、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!

 

 

こちらのピアノ教材は第1弾〜第3弾まであるのですが、「別れの曲」は第2弾に収録されています。

 

お得な3弾セットを利用して、読者様も憧れのクラシックにぜひチャレンジしてみてください♪

 

「101回目のプロポーズ」はピアノ曲で泣けるドラマ

 

このドラマの魅力が伝わったでしょうか?

 

主役の2人の他にも、江口洋介さんや田中律子さん、そして石田ゆり子さんといった豪華な俳優陣が出演されています。

 

思わず「若いな〜!スタイルが良いな〜!」と見とれてしまいました(笑)

 

ピアノ曲をBGMに薫が過去を思い出すシーンやラストシーンでは、私も感情が込み上げてきて、思わず涙してしまいました。

 

ドラマの恋愛模様の展開が気になりますが、時々流れる「別れの曲」にも注目してみてくださいね♪

 

そして、ピアノを練習している人は、ぜひご紹介した練習方法で「別れの曲」にチャレンジしてみてください!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。