皆さんはピアノの鍵盤数がいくつあるか知っていますか?
学校の音楽室や発表会で使われるピアノは、88個の鍵盤があります。
これを10本の指を使って弾くわけですから、かなり無理がありますよね。
どうしたら、この広い音域を弾くことができるのでしょうか?
広い音域をカバーするには、「指くぐり」という奏法が必要になります。
今回は「指くぐり」とはどんな奏法なのか、また練習方法や弾き方のコツなどについて紹介します。
どうぞ最後までお読みください。
- ・指くぐりとはどんな奏法なのか?
・指くぐりの注意点2点
・指くぐりの基礎練習方法
・指くぐりのコツ
指くぐりとはどんな奏法なのか?
「指くぐり」がどんな奏法なのかについて、説明します。
指くぐりとは、音階を弾く時に親指が他の指の下にもぐらせて弾く奏法のことをいいます。
親指-人指し指-中指で「ドレミ」と弾いた後に「ファ」を弾く時、親指を中指の下にもぐらせて「ファ」を弾く、という形になります。
また他の指が親指を超えるという奏法もありますが、これも親指が「くぐっている」状態になるので、指くぐりとなるのです。
他の指が親指を超える奏法は、「指またぎ」や「指越え」、「指かぶせ」とも言われているんですよ。
指くぐりの注意点2点
指くぐりとはどのようなものかわかったと思います。
この指くぐりについての注意点が2点あるので、1点ずつ紹介しますね。
親指を動かすと他の指も同時に動いてしまう
1点目は「親指を動かすと他の指も同時に動いてしまう」ことです。
親指を動かそうとする。
親指に余分な力が入ってしまう。
他の指にも力が入ってしまう。
指に余分な力が入ってしまうと、指の自由がきかなくなってしまい、スムーズな指運びができなくなります。
そうならないためにも、指に余分な力を入れずに手をラクにして弾くようにしましょう。
手首の柔軟性が失われる
2点目の注意するポイントは「手の柔軟性が失われる」です。
親指を他の指の間にもぐらせる
手の形や手首の位置はそのままの状態で親指だけを動かす
「親指をくぐらせる」という動きをするということは、手や手首に負担がかかります。
親指をくぐらせた状態で手首を固定してしまうと、次の音を弾く際にスムーズに指を動かせなくなってしまうのです。
指くぐりをするためには、まずは手首を柔らかくする必要があります。
後ほど指くぐりのエクササイズをお伝えしますので、手首が固くなってしまっている方はぜひやってみてくださいね!
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください!
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手が小さくて鍵盤に手が届かない!?1オクターブ先の鍵盤を弾くためのコツを教えます!!
指くぐりの基礎練習方法
ここで指くぐりがやりやすくなる基礎練習の方法について説明します。
手首・腕をスマートに使うエクササイズで矯正する
CDケースを用意してください。
机の上などでピアノを弾く時の姿勢をとり、CDケースを手首の上に置いて、指くぐりをします。
音のでこぼこが気になる場合、CDケースが落ちてしまいます。
なぜかというと、手首をひっくり返すように弾いてしまい、無駄な動きをしてしまっているからです。
他の指で弾いている時と同じく、手首はあまり大きく動かさないようにして、CDケースを落とさないようにやってみましょう。
また親指をくぐらせるタイミングで肘を使って、少し脇が開くようにしてみてください。
肘のアクションが親指の向かう方向への動きを助けるので、よりスマートな動きになりますよ。
このエクササイズが有効な理由
このエクササイズが有効な理由について説明します。
- 親指で弾いた時にフレーズ内の音がでこぼこするのは、指くぐりを素早くやろうとして指よりも手首を使っていたから。
- 手首を使ってしまうことは、他の指が弾いている時と大きく違うために、音に差がでてしまう。
- 手首が大きくアクションするのを抑え、肘や腕で手首の補助をする方法を覚える必要がある。
- CDケースを置いたエクササイズでは手首のアクションを抑える訓練ができる。
それでは実際にCDケースを使った指くぐりエクササイズのやり方を紹介しますね。
- 机の上などでピアノを弾く構えをして、CDケースを手首の上に乗せる
- CDケースを落とさないように、手首はなるべく動かさないようにして指くぐりの動きをしてみる
【手首がひっくり返っているNGなアクション】
- 指くぐりの際、手首がひっくり返ってしまうとCDケースが落ちてしまう。こうならないように意識して、上記を繰り返しやってみる
【肘と腕の使い方】
- 指くぐりのタイミングで肘を少し開くように動かして、親指のスムーズな動きを助けてあげる。こうすると脇も少し開くため、指の動きが全体的にラクになる
このエクササイズを続けていくことで、自然に指くぐりができるようになりますよ。
指くぐりのコツとは?
指くぐりのコツについて説明します。
指くぐりが苦手な方はぜひ参考にしてみてくださいね。
- 「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を「1・2・3・1・2・3・4・5」の指で弾く
- 手首は「ド・レ・ミ」が「下↓・上↑・上↑」となる
- 次に親指がくるが、その時にまずミを弾いている中指を軸として手首をくるっと内側に回転させる
- 中指を回転させる時に他の指はぶらんと下げておく
あとは手首を下げれば親指で弾くことができます。
あとの「ソ・ラ・シ・ド」は、手首を「上↑・上↑・上↑・下↓」にすれば簡単に音階が弾けますよ。
- 「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を「5・4・3・2・1・3・2・1」の指遣いで弾く
- 「ド・シ・ラ・ソ・ファ(下↓・上↑・上↑・上↑・下↓)」まできた時、親指で「ファ」を弾いていますね
- その親指を軸にして手首をくるっと内側に回転させると、中指がミの鍵盤にきます
- そこで手首を上げると「ミ」が弾けます
どのパターンでも長い指(人差し指、中指、薬指)で手を上げて、親指で手首を上げます。
この手首の「上↑・下↓」の動きをなめらかにすると、とても簡単に美しいレガートの指くぐりができますよ。
こちらの記事も参考になりますので、あわせて読んでみてくださいね!
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まとめ:指くぐりで大切なのは指ではなく手首だった!
今回は「ピアノの指くぐりで大切なのは指ではなく手首だった」ことについて紹介しました。
今回の記事をまとめてみますね。
- 「指くぐり」とは音階を弾くときに親指が他の指の下にもぐって弾くこと
- 指くぐりの注意点
親指を動かすと他の指も同時に動いてしまう
手の柔軟性が失われる - 指くぐりの基礎練習方法はCDケースを使った矯正エクササイズ
- 指くぐりのコツとは手首の「上↑・下↓」の動きをなめらかにすると簡単で美しいレガートの指くぐりができる
指くぐりは難しいと思うかもしれません。
でも、ピアノの音域を最大限に使うためには必要な奏法です。
手首に負担がかかる部分もあるので、練習する時に「おかしいな」と思ったら、手首を休めるようにしてくださいね。
指くぐりをきちんとマスターできると、音階だけではなく音域の広い分散和音もキレイに弾けるようになります。
レパートリーが一気に広がるので、ピアノを弾く楽しみが大きくなりますよね♪
今回のことを参考にしていただき、「指くぐり」がマスターできるといいですね!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。