「ピアノを両手で弾いてみたい!」
ピアノを始めるとだんだんと両手で演奏することに憧れてきますよね。
では、両手で弾けるようになるためには?
まず右手から練習を始め、慣れてくるとステップアップし左手の練習を始めます。
そうすると新たに楽譜に出てくるのがへ音記号です。
右手の練習でト音記号はよく理解していると思います。
でも、このヘ音記号でつまずいてしまったという人は実は多いんです。
そういう苦い記憶、ありませんか?
またト音記号は知っているけれど、へ音記号ってなんだっけ?と思われている方、忘れてしまってる方も大丈夫です。
今回は、へ音記号にもっと親しみをもってもらえるようにわかりやすくまとめました。
この記事を読み終えると、そんなに難しく考えることはなかったんだと納得してもらえると思います。
ピアノが初めての方も、一度習っていたという方も興味深い内容になっているので、そんな読者様のお役に立てたなら嬉しい限りです。
今回は、以下のことをお伝えしますね!
- へ音記号について
- ヘ音記号の楽譜を読むためのヒントについて
ピアノが好き!でもへ音記号ってどんな記号?
ト音記号はわかるけど、ヘ音記号ってなんだったかな。
ブランクがあって、久しぶりにピアノを始める時は私もすぐに思い出せませんでした。
読者様の中にもそう思った方はいるんじゃないかなと思います。
ではこちらをご覧ください!
この写真の赤丸印がヘ音記号です。
五線が全部で6段ありますが、2段ずつくくられていて、上段は「ト音記号」、下段に「へ音記号」があります。
そうだったそうだった!と思い出して下さった方、ありがとうございます。
ヘ音記号でつまずく人が多い理由
両手はいつも同時に動かすわけじゃない、自由自在に動かし奏でるのがピアノですよね。
プロの演奏を見てみると、10本の指が本当に軽やかに美しく動いています。
自分も少しでも近づきたい・・・と憧れてしまいますよね。
両手でピアノを弾くためには必ず通るといっても過言ではないヘ音記号の壁!(笑)
憧れがあればある程、つまずいたときに壁のように感じます。
一般的に、右手でト音記号の演奏に慣れたあと、左手でヘ音記号の音を練習し始めます。
そもそもピアノは、両手の指をなるべく丸め、指先で鍵盤を押さえて音を出します。
そんな風な指の使い方はすぐには慣れないですよね。
指先を立てて綺麗に弾こうとすると、力の入りにくい小指なんて、くにゃとなります(笑)
特に、利き手と反対側の小指は顕著に表れます。
左手は利き手じゃないという方は多く、使い勝手が悪いと感じるのは当たり前なんです。
だから左手の練習を始めた時につまずいてしまうのも無理はありません。
それに、音符の読み方もヘ音記号とト音記号では異なります。
ト音記号の楽譜ではドだった音も、ヘ音記号になるとドではありません。
譜読みに慣れないのも、ヘ音記号でつまずく理由の一つです。
ト音記号で慣れている譜読みを、また別の方式で読まなければならないと大変さを感じてしまうんです。
ヘ音記号がなかったらいいのに・・・。
そう考える方もいるかもしれませんね。
では、厄介に思えるヘ音記号は本当に必要なのか考えてみましょう!
ヘ音記号はやっぱり必要?
もしも、ヘ音記号がなかったらどうなると思いますか?
ヘ音記号がなかったら、楽譜をト音記号だけで表すことになります。
そうすると、楽譜にはト音記号の書かれた五線1つしかないことになりますよね。
ピアノは88つの鍵盤、つまり約7オクターブ分の音があり、そのたくさんの音を五線1つにのせることはできないんです。
たしかに、「加線」と言って五線からはみ出して書く方法はあります。
五線の上にも下にも加線はできますが、譜読みのしやすさからせいぜい上下に各3~4本までしか使われません。
そうすると、加線をしたとしても、1つの五線譜には3オクターブ分の音域しか載せることができないんです。
その他には、「8va」という記号で「1オクターブ上(または下)を弾いてください」という指示を意味するような万能な記号もあったりします。
それでも収めることができるのは5オクターブ分の音になります。
ト音記号の表記だけでは、ピアノの88つの鍵盤の音すべて(約7オクターブ)を五線にあらわしきれないんです。(イメージできましたか?)
ピアノ曲の中には、ピアノの端から端まで使うような曲もあります。
楽譜に書ききれない音符たちはどうしたらいいの?と困ることにもなり、ヘ音記号がなかったらやっぱり不便なんです。
だからヘ音記号の楽譜が必要なんですね。
ヘ音記号の正体
ヘ音記号は、音部記号の一つです。
音部記号って?
ややこしそうな言葉が出てきましたね。(混乱させるつもりはありません(笑))
良く知っているト音記号も、音部記号ですので安心してくださいね。
音部記号は、音の高さの基準となる記号のことです。
もし音部記号が書かれてなかったら、音の高さがわからないので音符は読めないんです。
楽譜を見てみると、どれも最初に書かれているのは音部記号です。
いきなり音符が書かれている楽譜は一つもありませんよね。
最初に音符が書かれていても、何の音かわからないはずです。
音部記号があるから、はじめて音の高さを知って、演奏することができます。
ここまでどうでしたか?
イメージすることが少し難しかったかもしれません。
では実際に楽譜を使っていこうと思います。
ドレミ・・・が2つ書かれています。
そして、紫色の枠内には「ド」が上下に2つ書いてありますね。
この上下2つのドは、どちらもピアノの中央にある基準のドにあたります。
なので、紫色で囲まれた2つのドは同じ音になるんです。
(※今回は説明のために上下2つ基準のドを書きましたが、実際の楽譜だと、どちらか1つしか記してありません。)
つまり何が言いたいかというと、右手(青色)のト音記号と左手(ピンク色)のヘ音記号は別の楽譜のようで、つながっているんですよね。
ピアノの88つの鍵盤が一列に並んでいるように、楽譜の上でも途切れることなくつながっているんです。
ト音記号とヘ音記号の楽譜が対になったおかげで、楽譜に載せられる音域が広がりました♪
そして、特別な指定がない限り、左手は右手より低い音を弾くことになります。
そんなこともあり、ヘ音記号は別名、低音部記号と呼ばれます。
読者様はチェロを知っていますか?
チェロは弦楽器の一種で、バイオリンを大きくし厚みをもたせた形をしています。
オーケストラでは中~低音域を担当しますが、チェロの楽譜はヘ音記号で書かれていることが多いんです!
なかにはト音記号が一切使われず、ヘ音記号だらけという曲もあるほどです。
低い音をあらわすのにヘ音記号は最適だということがわかりますね。
ヘ音記号があって良かった♪とまではいかないかもしれませんが、少しでもヘ音記号が身近なものになってもらえてたら嬉しいです!
ヘ音記号の楽譜を読むヒント
最後に、ヘ音記号の楽譜の音符を読むためのヒントをお伝えしたいと思います。
私も昔、ヘ音記号の壁を感じていた一人なんですが、今からお伝えすることを知ってからは苦手意識が和らいだんです。
よかったら読者様も参考にしてみてください♪
まず、楽譜はイタリア語で書かれているのはご存じですか?
このブログタイトルにも使われている「フォルティッシモ」はイタリア語なんです!
楽譜の中にも登場する強弱記号の一つで、「きわめて強く」という意味を持っています。
「ドレミファソラシド」もイタリア語なんですが、日本語ではどう表わすかわかりますか?
「ハニホヘトイロハ」がそれに対応する日本語なんです。
つまりヘ音記号の「へ」は、イタリア語で「ファ」にあたります。
こちらの写真中央の記号が、ヘ音記号だということはもうおわかりですよね。
耳のような形にも見えるヘ音記号。
よ~くご覧ください。
耳の付け根部分のような、ヘ音記号の書き始めの丸い部分が「ファ」の位置にきているのがわかりますか?
「ファ」は日本語で「へ」でしたよね。(ドレミファ、ハニホヘですもんね)
ファの位置を示しているからヘ音記号というんです。
このヘ音記号は音部記号なので、楽譜の最初に必ずあります。
なので、仮にファの位置を忘れてしまったとしても、ヘ音記号自体が「ファ」を示してくれているんです。
ファがいつもわかる状態になっているので、1つずつ数えていけば音符が読めます。
あとはもう一つ、ドの位置を覚えていればファとドが分かることになりますので、他の音符を読むのもちょっとスムーズになりますよ♪
ピアノをさらに楽しむために、へ音記号と仲良くなろう!
ヘ音記号についてなんとなくわかったら、ヘ音記号の音読みがそんなに難しいものじゃないと思えてきませんか?
もやもやしていたものがスッキリして、意外と面白いと思ってもらえたなら嬉しいです。
指導者によっては、「こうして譜読みするんだよ」と今回の内容と教わり方が異なるかもしれません。
自分にとって、スッと自然に入ってくる方法でヘ音記号を習得してみてくださいね♪
▼最初からヘ音記号に親しめる、初心者向けの教本を紹介しています▼
ピアノを始めたばかりの方が使う教材はバイエル?いいえ、今は教本がたくさんあるため選択肢が幅広いです。今回はバイエルに代わって使われている教材をご紹介。当サイトが運営しているffサロンのメンバーさんが実際に使ってレベルアップしてきた教本です。
最後までお読みいただきありがとうございました。