楽器店に行くといろいろな鍵盤数の電子ピアノやキーボードが並んでいます。
これからピアノを始めようと思っている方、ピアノの購入を考えている方、ピアノの鍵盤数について気になりませんか?
「ピアノの鍵盤数って決まっているの?」
「初心者が練習に必要な鍵盤数はいくつ?」
ピアノを購入する前に、知っておきたいですよね。
そこで今回は、
- ピアノの鍵盤数は決まっているの?
- 鍵盤数の選び方は何を気を付けたらいいの?
以上について詳しく解説します。
読めば読者様の疑問や不安が解消されますよ!
ピアノの鍵盤数は88個だけじゃない?
ピアノの鍵盤数って決まっているのでしょうか?
⇒決まりはないのですが、ピアノは基本的に88鍵盤です。
電子ピアノ・キーボードには88鍵盤ではないものもたくさんあります。
ではどうして基本は88鍵盤なのでしょう?
それ以上のものはないのでしょうか?
ピアノの鍵盤の歴史をもとに解説します。
基本は88鍵盤!鍵盤数の歴史
ピアノの鍵盤数は最初から88鍵盤あったわけではないんです。
実はピアノ発明時、54鍵盤しかなかったんです。
1700年ごろ、イタリアの楽器製作家バルトロメオ・クリストフォリ(1655~1731)という人によって、現在のグランドピアノの原型である「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」が作られました。
それ以前は鍵盤楽器として、「クラヴィコード」と「チェンバロ」が普及していました。
「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」という長い呼び名が省略され、「ピアノフォルテ」になり、さらに省略され「ピアノ」という呼び方になりました。
この当時、鍵盤の数は54鍵盤です。
引用:YAMAHA
その後、音楽が発展し、作曲家からの「より幅広い表現がしたい!」という要望に答え、音域が広がっていきます。
ハイドンやモーツアルトが活躍した時代
54~61鍵盤
5オクターブほどの音域が使用され、すっきりとした曲が多い。
ベートーベンが活躍した時代
61~78鍵盤
難易度が上がり、より広い音域を活かした曲が多くなる。
ショパンやリストが活躍した時代
80~85鍵盤
「超絶技巧練習曲」などの、高度なテクニック、豊かな表現力が求められる曲が多くなる。
白鍵が52、黒鍵が36の88鍵盤、7オクターブの形となる。
音楽の発展とともに鍵盤数が増え、88鍵盤という形になったのは、ほんの100年足らずのことなんですね!
ピアノの歴史についてもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください↓
誰もが知ってる楽器、ピアノ。歴史は長く昔から多くの人に愛された楽器と思ってらっしゃる読者様も多いはず。実は思っているより歴史は浅いんです!そんなピアノ、前身となる楽器があるのをご存知ですか?大人が始めるピアノ。まずは歴史に触れてみませんか?
鍵盤数は増えないの?
88鍵盤からそれ以降ピアノの鍵盤数はほとんど増えていません。
その理由は、それ以上音域が増えても、人間が聴き取れないからです。
人間が音程として聴き分けられるのは、20から4,000ヘルツまでです。
現在のピアノが出せる音程は27~4,186ヘルツですので、すでにカバーしています。
これ以上音域を増やしても、耳障りな音としてしか聴こえなくなってしまうのです。
また鍵盤数が増えるとピアノ自体が大きくなってしまい、部屋に入れることが困難になるという、物理的な問題も理由として上げられます。
ですが、実は88鍵盤より多い鍵盤数のピアノもあるんですよ。
オーストラリアの楽器メーカー、スチュアート・アンド・サンズ社では97・102・108鍵盤のピアノを作っています。
またフランスのステファン・ポレロ社でも102鍵盤のピアノが作られています。
でも音域は拡張されましたが、これは弦を共鳴させて音色の豊かさを得るために追加されたものであり、この増えた音域を弾くように作られた曲はほとんどありません。
鍵盤数の選び方は何を気を付けたらいいの?
ここまで、ピアノの鍵盤数の歴史について解説してきました。
ピアノを始めるにあたって、「88鍵盤のグランドピアノやアップライトピアノを購入したほうがいいのかな?」
「88鍵盤ないキーボードを使ってピアノ練習はできるのだろうか?」
「電子ピアノやキーボードを買うなら、自分に向いている鍵盤数はいくつ?」
このような疑問もあると思います。
ここからは、ピアノでやってみたい事別に必要鍵盤数をご説明していきます。
ちなみに先に解説しますと、
- グランドピアノ・アップライトピアノ…ハンマーが動いて弦をたたくしくみの生ピアノ
- 電子ピアノ… 生ピアノの音を再現した電子製品
- キーボード… シンセサイザーを簡易的にした製品
という違いがあります。
ピアノの違いについては、こちらの記事もぜひ参考にしてください↓
ピアノの購入を検討している方へ。購入する前にこの記事を読めば、ピアノを楽しみたい人や上達したい人が購入を失敗しないためのピアノ情報を知ることができます。私も購入を考えていて真剣に悩みました。どのピアノが自分に合っているのか一緒に考えましょう!
88鍵盤
引用:YAMAHA
たとえ趣味でも、クラシックを弾きたいと思っているのであれば、やはり88鍵盤をおすすめします。
クラシック曲は上級レベルになるにつれ、88鍵盤じゃないと弾けない曲がたくさん出てきます。
ピアノを長く続けたいという方には断然88鍵盤がおすすめです。
またジャズも幅広い音域を弾きますので、88鍵盤は必須となります。
グランドピアノやアップライトピアノはほとんどが88鍵盤です。
生の音の魅力があり、弾き方によって無限の演奏表現ができます。
ですが、周囲への音漏れや高価な値段がやっぱり気になるという場合は、ヘッドフォンを利用できる88鍵盤の電子ピアノを選ぶという方法もあります。
電子ピアノは軽量で調律の必要がない、という利点もあります。
ヤマハのピアノ価格を参考にのせておきます。
グランドピアノ | 価格 |
GB1K | 1,150,000円(税抜き) |
C1TD | 1,450,000円(税抜き) |
C7X | 3,500,000円(税抜き) |
アップライト
ピアノ |
価格 |
YU11 | 660,000(税抜き) |
YUS1 | 900,000(税抜き) |
SU7 | 24,000,000(税抜き) |
電子ピアノ | 価格 |
CLP-635 | 168,000円(税抜き) |
CLP-675 | 288,000円(税抜き) |
CLP-685PE | 420,000円(税抜き) |
引用:YAMAHA
- クラッシック曲を弾きたい人
- ジャズを弾きたい人
- ピアノを長く続けたい人
76鍵盤
引用:CASIO
ポップスや難易度のそこまで高くないクラッシック曲を弾きたいという方には、76鍵盤の電子ピアノやキーボードがおすすめです。
ジャズでも76鍵盤で足りる場合もあります。
大人になってからピアノを始めて、ポップスを中心に弾いてみたいという方は、76鍵盤がおすすめです。
値段も88鍵盤より手頃で、小さく軽量なので部屋に置きやすいです。
価格は機能によって50,000~150,000円程と差があります。
- ポップス中心に弾きたい人
- 初級・中級レベルのクラッシック曲を弾きたい人
- 簡単なジャズを弾きたい人
61鍵盤
引用:Roland
まったくピアノを弾いたことがなく、とにかく一度ピアノを触ってみたい、という方には61鍵盤のキーボードがおすすめです。
簡単な弾き語りをしてみたいという方にも向いています。
両手の楽譜を弾きたいと思ったら、最低61鍵盤は必要です。
コンパクトサイズで持ち運びもできるので、バンド活動をやってみたいという方も使いやすいです。
価格の幅はありますが、30,000~60,000円程。
ですが長くピアノを続けていると、61鍵盤だとどうしても足りなくなってきます。
「やっぱり88鍵盤を買っておけばよかった!」と、後悔しないように、購入する時はよく考えましょう。
- とにかく一度ピアノを弾いてみたい人
- 弾き語りやバンド活動を中心に使いたい人
- 大きいサイズが部屋に置けない人
44鍵盤
引用:CASIO
とてもコンパクトなキーボートは44鍵盤のみの場合も。
両手で弾く楽譜の曲は弾けないことがほとんどです。
片手でメロディーを少し弾いてみたい方や、お子さんがピアノに興味を持つための導入品としておすすめです。
気軽に外に持ち運べるので、合唱練習などの音合わせとしても使えます。
価格は10,000~20,000円程です。
- お子さんのピアノ導入品として探している人
- 片手のメロディーだけ弾ければいい人
ピアノの鍵盤数は88個だけじゃない!?【タイプ別】鍵盤数の選び方 まとめ
ここまで、ピアノの鍵盤数について解説してきました。
「ピアノの鍵盤数は基本的に88鍵盤で、それ以上のものも作られているが、増えた音階を弾く曲はほとんどない」
ということがわかりました。
102や108鍵盤のピアノの演奏、どんな音色なんでしょう?
いつか聴いてみたいですよね。
またピアノを始めるときに、どの鍵盤数がおすすめかもご説明しました。
- クラッシック曲を弾きたい人
- ジャズを弾きたい人
- ピアノを長く続けたい人
- ポップス中心に弾きたい人
- 初級・中級レベルのクラッシック曲を弾きたい人
- 簡単なジャズを弾きたい人
- とにかく一度ピアノを弾いてみたい人
- 弾き語りやバンド活動を中心に使いたい人
- 大きいサイズが部屋に置けない人
- お子さんのピアノ導入品として探している人
- 片手のメロディーだけ弾ければいい人
弾いてみたい曲があるのに、「鍵盤数が足りない!」というのはとても悲しいですよね。
自分にどの鍵盤数が必要か知っておくことは大切です。
自分がどんな曲を弾きたいのか、どこまで弾けるようになりたいのか、部屋の広さなどの環境、コストといったいろんな視点からよく考えて、ピアノを選びましょう。
読者様には長く楽しく、ピアノライフを続けていただきたいです。
この記事がお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。