ピアノリサイタルとコンサートとの違いとは?リサイタルのマナーと楽しみ方もお伝えします!

 

「ピアノリサイタル」と「コンサート」は何が違うの?と疑問に思ったことはないでしょうか。

 

どちらも演奏会で、ピアニストがホールで演奏すると分かりますが、明確な違いを聞かれると、説明が難しいですね。

 

もし、同じように思った読者様がいらっしゃったら、今から「ピアノリサイタル」と「コンサート」との違いを知りましょう。

 

マナーや楽しみ方もお伝えするので、一石二鳥ですよ!

 

初めてリサイタルに行く方は安心して行けますし、もっと行きたいと思っている方は、ますます楽しめること間違いありません。

 

  • ・ピアノリサイタルとコンサートの違い
    ・ピアノリサイタルのマナーと予習
    ・一度は聴いてほしいリサイタル

 

リサイタルとコンサートとの違い

そもそも「リサイタル」とはどんな意味でしょうか。

 

英語のreciteは「聴衆を集めてその前で朗誦する」という意味を持ち、そこから派生した「recital」という語は単独か、またはごく少人数での演奏会を差します。

 

つまり、ピアノリサイタルとは、ピアニスト一人か少人数での演奏会という意味ですね。

 

一方、コンサートは、複数の団体や大人数の演奏者が複数の楽器を演奏する演奏会のことです。

 

他にも違いがあり、「演奏」「ホール規模」「客席との距離」の点から見てみましょう。

 

演奏
  • リサイタル…奏者が技量や曲の解釈を披露
  • コンサート…オーケストラやオペラなどの多様なプログラムや演奏スタイルを提供

 

ホールの規模
  • リサイタル…最大200名程度のホール規模で行われることが多い
    グランドピアノ1台と椅子1脚を置けるスペースがあればよく、ステージがそこまで広くなくてもかまわない

  • コンサート…大人数で演奏するので、多くは1,000席以上の会場で行われる
    プログラムにより奏者が100名以上必要なので、客席の一列目から数列をステージの広さに足して使われることもある

 

客席との距離
  • リサイタル…ステージと客席が近く、表情が分かる
  • コンサート…ステージと客席の距離がしっかりと引かれている
    ステージから客席に行くには階段を降りるか、ステージ袖から通路を通るか

 

マナーと予習

 

コンサートとの違いが分かった後は、大切なマナーについても知っておきましょうね。

 

ピアノリサイタルを初めて鑑賞する場合、どのような服装で行けばいいの?やどのタイミングで拍手をするの?など、様々な疑問が浮かぶかもしれません。

 

会場で恥ずかしい思いをしたり、他のお客様に迷惑をかけたりしないように、マナーは知っておいてくださいね。

 

とても大切な「服装」「拍手のタイミング」「聴くとき」の3つを押さえておきましょう。

 

服装

読者様が一番気になると思われる「服装」からお伝えしていきます。

 

リサイタルだからといって、礼服でバッチリ決める必要はありません。

 

特に「これ」という格好はなく、場違いでなければどんな格好でもかまいません。

 

本当?と思われるかもしれませんが、まさかの「Tシャツ&デニム」でも大丈夫です

 

シャツ&デニムもOKですが、清潔感や場に合ったスタイルを心掛けることは大切です。

 

でも、なんでもいいよと言われてしまうと、困ってしまいますよね。

 

次の格好だと恥をかかなくて済み、一般的と言えます。

 

服装
  • 男性:ジャケット、スラックス
  • 女性:ワンピース、ブラウス・ニットとスカート
  • 子ども:大人と同じ

 

拍手のタイミング

次は「拍手のタイミング」についてです。

 

曲を最後まで演奏した後に拍手をするは分かるけど、楽章間や「素晴らしい」と思ったタイミングで拍手してもいいのでしょうか。

 

基本的にはNGです。

 

拍手は、各曲の終わりと最後の曲を弾いた後にしてくださいね。

 

タイミングがよく分からなくて不安な方は、他のお客様に合わせましょう。

 

そしてアンコールでは、盛大な拍手を贈ってあげてください。

 

演奏中は静かにする

最後に「聴くとき」です。

 

 演奏中の私語は慎み、静かに聴きましょう。

 

言わずもがなですね。

 

演奏中に携帯電話の着信音などが鳴って、周りの人に迷惑をかけてはいけません。

 

感想を言い合うなど、演奏中の会話も止めてくださいね。

 

どんなに小さい声で話しても、シンとした会場では演奏以外の音が雑音になってしまいます。

 

遅刻しない

開演5分前には席についておきましょう。

 

遅刻をするとすぐに会場に入れず、楽章間か1曲が終わってから入ることになります。

 

遅れた人のためにロビーに設置されたテレビで聴ける場合もありますが、せっかくの生演奏を画面越しに聴くのはもったいないですよね。

 

予習をする

演奏をより楽しむために予習をしていきましょう。

 

リサイタル前の予習
  • ピアニストについて調べる
  • プログラムの曲を調べる、聴く
  • ホールへのアクセスや特徴を調べる

 

ピアニストについて調べる

多くの方がSNSで発信されていますので、演奏以外のことやピアニストのキャラクターが分かります。

 

演奏とのギャップや読者様との共通点などを発見するかもしれません。

 

私が今まで一番ギャップを感じたのは、清塚信也さんです。

 

 

かっこよくて、ピアノも華やかなのにお話が面白い、ノリもいいというギャップにやられてしまいました。

 

清塚さんのリサイタルは、MCも楽しみにされている方が多くいます。

 

演奏以外を知ることでピアニストの距離が近く感じ、ますます好きになってしまいますね。

 

プログラムの曲を聴く、調べる

ぜひ、誰が弾いているかにこだわることなく、プログラムの曲を聴いてみてください。

 

作曲者や作られた背景を知って聴くと、ずっと曲に入り込めたり、耳に演奏が残る時間が長くなったりと演奏の感じ方が変わってきます。

 

何も知らずに聴くと曲を感じる楽しさや理解への深さが半減してしまうのではないでしょうか。

 

お勧めの聴きかたは、複数のピアニストの演奏を聴き比べてみることです。

 

ここで、実際に聴き比べてみましょう。

 

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」2楽章

 

2楽章は1005

 

同じ曲ですが、二人とも弾き出しが全然違うと思いませんか?

 

このように聴き比べをして、リサイタルを聴きに行くピアニストの演奏を想像してみるのも面白いですね。

 

ホールへのアクセスや特徴を調べる

 リサイタル前日までにはホールへのアクセス方法や公共交通機関の時間を調べておきましょう。

 

当日に調べて、車両や人身事故などで電車が止まっている、遅延している、なんてことが起こるかもしれません。

 

そうなると、おそらく遅刻する可能性が高くなります。

 

先に書いたように遅刻すると、1曲まるごと聴けなかったり、曲の途中から聴くことになったりしてしまいます。

 

せっかく購入したチケットを無駄にしないようにしましょうね。

 

当日は早めに家を出ることをお勧めします。

 

もしもトラブルがあった場合でも、最寄りの駅までの経路を複数用意しておくと安心ですよ。

 

また、アクセス方法だけでなくホールの特徴を知るのも、リサイタルをもっと楽しめます。

 

なぜかというと、リサイタルでよく使われる小ホールも、大ホールと同様に、内装や音響に力を入れて造られています。

 

 

小ホールの様々な特徴を知ると、どんな風に演奏が聴こえるのだろうって、ワクワクしませんか?

 

特徴的なホールでのリサイタルはおしゃれで、非日常の空間で演奏を楽しめますね。

 

一度は生で演奏を聴いてほしいリサイタル

 

人気だったり、巨匠クラスでなかなかチケットが取れなかったりするけれども、一度は生で演奏を聴いてほしいピアニスト3人を紹介します。

 

内田光子

1948年生まれで、現代で最も尊敬されるひとりの内田光子さん。

 

モーツァルト、シューベルト、ベートーヴェンの作品の解釈で高い評価を受けられています。

 

経歴
  • 1970年ショパン・コンクール第2位(日本人歴代最高位)
  • 1984年に小澤征爾氏指揮のベルリン・フィル定期演奏会で、バッハのピアノ協奏曲とメシアンの異国の鳥たちを弾いて世界デビュー
  • 2011年と2017年にグラミー賞受賞、日本人史上初の2度受賞

アメリカを拠点に活動されていて、日本での公演は毎回完売してしまいます。

     

     

    内田光子さんの表情が大変豊かで、演奏が胸の奥深くに染み入ります。

     

    アルタ・マルゲリッチ

    1941年生まれ、アルゼンチン出身で、世界最高峰のピアニストです。

     

    経歴
    • 8歳でモーツァルトとベートーヴェンのピアノ協奏曲を弾いてデビュー
    • 1965年にショパン国際コンクールで優勝し、世界的な評価を決定づける
    • 日本とも関りがあり、1998年より「別府アルゲリッチ音楽祭」総監督と広島交響楽団の「平和音楽大使」に就任

     

     

    鍵盤を弾くたびに指先から音符が飛び出しているように感じます。

     

    ランラン

    1982年生まれ、中国出身のピアニストです。

     

    経歴
    • 3歳でピアノを始め、5歳になる前にリサイタルを開催
    • 13歳のときに「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝
    • 17歳のときに、シカゴ交響楽団の公演へアンドレ・ワッツに代わり急遽、出演したことで大ブレイク

     

    2010年公開の映画「のだめカンタービレ最終楽章」で、のだめのピアノ演奏の弾き替えを担当されました。

     

     

    自分なりのピアノリサイタルの楽しみ方を見つけよう

    ピアノリサイタルとコンサートの違い、とリサイタルのマナーと楽しみ方をお伝えしました。

     

    マナーと予習
    • 遅刻をしない
    • 私語をしない
    • 事前にピアニストとホールについて調べる

     

    一度は聴いてほしいリサイタル
    • 内田光子
    • アルタ・マルゲリッチ
    • ランラン

     

    ぜひ、読者様独自のリサイタルの楽しみ方を見つけてみてくださいね。

     

    それぞれの楽しみ方を教えあって、共有できたら嬉しいです!

     

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。