読者様は子供の頃ピアノを習っていた経験があり、大人になってから再開しようと考えていらっしゃいますか?
「もう一度練習してみようかな」
「趣味でピアノを再開したいな」
と思われている方も多いかもしれませんね。
しかし中にはこういう不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ブランクがあって弾けなくなっていたらどうしよう」
「もう現役時代のような感覚は取り戻せないかも」
今回はこういった方々のために、『ピアノを再開したいけれど指が思うように動かないための練習方法』をご紹介します。
これでブランクがあっても、楽しくピアノが弾けるようになりますよ!
最後までお付き合いくださいね。
今回の記事を読むと、下記のようなことがわかりますよ。
・やっていた頃の感覚を取り戻すための練習方法とは?
・指の動きをよくする教本『おとなのハノン』
・ピアノを再開する時に大変なことは?
久しぶりにピアノを弾くと指が思うように動かない!
ピアノの経験者は、数日練習しないだけで指が思い通りに動かなくなることを知っています。
だからこそ、ブランクのある方はもう一度ピアノを始めるのに勇気がいるのです。
しかし、ブランクがあったとしてもピアノ初心者よりもスムーズに指の感覚を取り戻せるんですよ。
それは自転車のように、ピアノを弾く感覚を身体が覚えているからなのです。
だからこそ、指の感覚を取り戻すには、なるべくたくさんピアノに触れて、感覚を思い出すことが大切なんですよ。
やっていた頃の感覚を取り戻すための練習方法とは?
動かし方を忘れかけていた筋肉を久しぶりに動かす場合、すぐ元通りということに無理がありますよね。
まずは『こんなに動かなくなってしまっているという現実を受け止める』ことから始めてみましょう。
大事なのは、『昔はこんなに弾けていた』という過去の自分と比較しないことです。
でも、『昔はこれだけ弾けた!』という自信を持つことは大事ですよ。
実はこれが再びピアノの道を途絶えてしまわないコツなのです。
ブランクというのは、以前にできていた技術的なことができなくなってしまった状態ではありません。
しばらく眠っている状態、感覚を忘れているだけの状態のことをいいます。
全くの白紙の状態からその技術を身に着けるまでにかかった時間より早く、元の状態に戻れるものです。
そのためには、最初の状態に戻って今までの道のりをたどってみることが必要です。
テンポもゆっくりと、鍵盤を押さえる感覚を取り戻し、使わないことで落ちてしまった筋肉を改めて鍛えることが大切ですよ。
そしてハノンの練習も忘れずに行って下さいね。
初めからハノンが難しい場合は、もっと簡単でハノン的な要素を含む指の練習をしてみて下さい。
指の動きをよくする教本『おとなのハノン』
指の動きをよくする教本としておすすめなのが、『おとなのハノン』という教本です。
なぜおすすめなのか、これから詳しく説明していきますね。
『おとなのハノン』の特徴
おとなのハノンの特徴はとても簡単で見やすいものです。
- 『ハノン』原書の「60の練習曲」から前半部分の抜粋
- スケール(音階)、アルペジオがやさしくなっている。
- 楽譜を読みやすくするために、16分音符が8分音符に変更されている。
- 1曲ごとにリズムパターンがついている。
上記のような特徴だけではなく、次に紹介する練習しやすい内容にもなっているんですよ!
- 『ゆびあそび※』というページがあり、5本の指を使うトレーニングができる。
- 音符が大きくなっていて、とても見やすい。
- 注意してほしい指番号には○印がついている。
- 指ひろげや指ちぢめ、指くぐりなど、練習のポイントがわかりやすく書いてある。
音符が大きくなっていたり、注意してほしい指番号には〇印がついているのは、とても丁寧ですよね。
『ゆびあそび』について参考としてまとめてみましたので、ぜひチェックしてみてください。
『ゆびあそび』は、5本の指を使った同音連打、音の保持、トリル、重音、オクターブなどいろいろなトレーニングができるページです。
本書には「アクロバティックな遊びという感覚で楽しみながら」と書いてあり、無理せず取り組めるものだけ練習できるのが特長です。
引用:YouTube
『おとなのハノン』の使い方
それでは次におとなのハノンの使い方について説明していきます。
【使い方・1】
毎日の練習の最初に、手と指の筋肉をほぐすウォーミングアップとして使用して下さい。
ウォーミングアップの時間は練習時間の1/4~1/3程度で充分です。
1時間練習するならば、15分~20分くらいですね。
【使い方・2】
楽譜を読む力をつけたい時は、音名を声に出してくり返し読んでみたり、読みながらピアノを弾きましょう。
声に出して読むことで楽譜を読む速度が早くなってきますよ。
何をする時もそうですが、声に出して読むことで覚えることが早くなります。
楽譜も読みながらピアノを弾くことで、覚えるスピードが早くなるんですよ。
【使い方・3】
持久力をつけたい時は、1曲を何回かノンストップでくり返し弾いたり、何曲かを止めずにつなげて弾いてみましょう。
少し大変ですが、1曲をノンストップで繰り返し弾いたりして持久力をつけることも大切です。
この時、腕や指に痛みを感じたら無理をせずに弾くのをやめて下さい。
ピアノを弾きすぎて、『腱鞘炎(けんしょうえん)』にはならないように気をつけて下さいね。
腱鞘炎にならないピアノ奏法についての記事は、こちらから読めますよ!
腱鞘炎を気にせずにピアノが弾きたい!ならないための4つのコツ大公開!
【使い方・4】
正しい運指方法を理解して、身につけるために指番号は守りましょう。
『おとなのハノン』はくり返して何度も使うことができます。
さらにグレードアップしたい方は、少し難しい教本にチャレンジしてみて下さいね。
ここまでお伝えしたように、『おとなのハノン』はピアノ初心者の方はもちろんのこと、再開したい方にもうってつけの教本ですよね。
しかも値段も1,100円とかなりリーズナブル!
ピアノを再開したい方にはぜひチェックして欲しい1冊です。
指の筋トレをしよう!
ピアノを弾くには『指のトレーニング』が不可欠ですが、どうして指のトレーニングが必要なのでしょうか。
ここでは指のトレーニングの必要性についてお伝えします。
- 音の強弱を表現できるようになる
- テンポの速い曲が演奏できるようになる
- 怪我が少なくなる
1つずつご紹介していきますね。
音の強弱を表現できるようになる
激しく鍵盤を弾くときはもちろんのこと、優しく鍵盤を弾くときも同じくらいにピアノは指の筋力を必要とします。
指の筋力がない場合、この鍵盤の弾き分けができず、いつも一定のテンポで強弱のない演奏しかできなくなります。
しかし、指の筋力をつけて音の強弱が表現できるようになると、それだけで表現力が高まります。
テンポの速い曲の演奏ができるようになる
ピアノ曲は数多く存在しますが、中にはテンポの速い曲もあります。
このようなテンポの速い曲を演奏するためには、必然的に指の筋力が必要となります。
指の筋力がなければ、早く指を動かすこともできず曲の途中でスタミナが切れてしまい、指が疲れてしまいます。
また指の筋力を鍛えるだけで、弾ける曲のレパートリーが増えていくんですよ。
怪我が少なくなる
ピアノを弾くのは優雅な演奏姿からは想像がつきませんが、体力的にもハードなものです。
それだけではなく、指を酷使する楽器のため、指の筋力が少ないと、怪我が多くなりがちなのです。
指が吊るなどの日常的な怪我から、疲労骨折をするなど練習を中止せざるを得ない大きな怪我まで、ピアノによっておきる怪我は様々です。
ピアノでの怪我は、日頃から指のトレーニングで未然に防ぐことができます。
だから、怪我をしないためにも指のトレーニングは非常に重要となってくるんですよ。
そこで簡単にできる指のトレーニング法2種類をこれからご紹介しますね。
- 10本の指を、机の上などの平行な場所に乗せる。
- 親指から指を上下させるのを10回ずつ行う。(左右同時でも、片方ずつでもどちらでも構いません)
- 親指から小指までを1セットとして、これを1日3セット行う。
指のトレーニングですが、薬指が苦手という方は多いですよね。
他の指は上下させることができるのに、薬指だけができない方もたくさんいることでしょう。
その場合はあまり無理をせず、できる範囲で構いませんので、とにかく毎日続けることが大切です。
- 左右の手の平や指を、反対の手で揉んだり伸ばしたりする。
- 手の全体がポカポカしてきたら、握りこぶしをギューッとつくり5秒間握る。
- 5秒間握ったら、思いっきり手をバッと広げる。(これも5秒間)
- 2~3の行程を5回繰り返す。
これはかなり気持ちいいトレーニング法です。
トレーニングする手を反対の手で揉んだり伸ばしたりするだけでも、マッサージ効果があって固かった手もほぐれていきます。
さらに血行もよくなりポカポカ温かくなってくるんです!
今回ご紹介した2つのトレーニング法で、ぜひ気持ちよくピアノが弾けるようになるといいですね。
指のトレーニングについて下記の記事でもご紹介していますので、合わせて読んでみて下さいね!
指を柔らかくする方法でピアノを楽しもう! お勧めのトレーニング方法をご紹介!
ピアノを再開する時に大切なことは?
コツコツとゆっくり、練習やトレーニングを続けることによって、また素敵なピアノが弾けるようになります。
それでもやはり人間なので、どうしても挫折してしまいますよね。
先が見えない、つまらない、うまく弾けないなど。
実はこれらがピアノを楽しむことを邪魔する原因なのです。
せっかく再びピアノを弾く楽しみを味わったからには『こうして弾けることが喜び』という気持ちを大切にして下さい。
『1つできたことを自分できちんと喜び次への活力にする』、これを忘れずに頑張って下さいね。
ピアノを再開したいけれど指が思うように動かないための練習方法 ・まとめ
今回は『ピアノを再開したいけれど指が思うように動かないための練習方法』についてご紹介しました。
改めて確認してみますね。
- なるべくたくさんピアノに触れて、感覚を思い出す
- 最初の状態に戻って今までの道のりをたどってみる
- 指の動きをよくする教本は『おとなのハノン』がおすすめ
- 無理のない範囲で指のトレーニングを続ける
- 『こうして弾けることが喜び』という気持ちを大切にする
ピアノは前述した通り、自転車と同じで『身体で覚えているもの』なのです。
大人になっても、ピアノは十分に再開できることはできます。
今回の記事が、ピアノを再開したい方へのエールになれたら嬉しいです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。