せっかくピアノを始めたのなら、「早く、格好良く両手でスラスラと弾きこなせるようになりたい!」と皆さんお思いのことだと思います。
しかし、なかなかそうはいかない、というのは経験者の方であれば容易に想像がつくでしょう。
そう、左手です。
右利きの人は普段あまり左手を使わないので、どうしても右手のように左手を使いこなすのは難しくなってしまうんですよね。
「そもそも左手が思うように動いてくれない」
「片手では弾けても、右手と合わせるとうまくいかない」
などの悩みが自然に出てきます。
私もピアノを始めた時は、なかなか左手が思うように動いてくれずに苦労しました。
でも、左手が苦手ではなくなったら、ピアノでより豊かな表現ができるようになって、さらに楽しくなったんです!
1曲が弾けるようになるまでの時間も短くなったので、新しい曲にもどんどん挑戦できるようになりました。
今回は、ピアノ初心者がつまづきがちな左手の効果的な練習方法について、お悩み別に解説しちゃいます。
・ピアノ初心者が抱えがちな左手の悩みとは?
・左手が思うように動かない人の練習法
・右手と合わせるとうまくいかない人の練習法
左手に悩む初心者さんはぜひご覧ください。
ピアノ初心者が抱えがちな左手の悩みとは?
「左手がうまく弾けない」というのは、初心者だったら誰でも通る道です。
身もふたもないことを言ってしまえば、この悩みを解決するには練習しかありません。
右利きの人は、これまでの人生で相対的に左手をあまり使ってこなかったので、左手を使って何かをすることに慣れていません。
ですから、その分左手に重点を置いて練習すればいいのです。
とはいっても、ただ練習するだけでは効率がよくありませんよね。
ポイントを押さえて練習することで、より早く上達できます。
「左手がうまく弾けない」と言っても、いくつかのパターンがあります。
初心者にありがちなのが、こちらの2点です。
- 左手が思ったように動かない
- 右手と合わせるとうまく弾けない
さらに分析すると、このような悩みに細かく分けられます。
・リズムが合わない
・ミスタッチが増える
・同じところでつっかえてしまう
・右手につられてしまう
これらの悩み別に、効果的な練習方法は違います。
自分に合った練習をプラスすることで、スラスラと両手で弾けるようになっちゃいましょう♪
左手が思うように動かない場合の練習法
そもそも左手が思うように動いてくれない、という人は、まずピアノに左手を慣れさせるところから始めましょう。
ヘ音記号の読みや、指番号を考えるところで引っかかってしまう場合は、楽譜に全部書き込んでしまってもいいでしょう。
左手の形を確認
まずは、ピアノを弾く時の左手の形は大丈夫ですか?
・ふんわりと、手のひらに卵を包むようにする
・手首や肩に力を入れない
(右手や、誰か他の人に手首をつかんでもらってぶらぶら~とすると分かりやすいです)
・指の腹の少し上辺りで優しく鍵盤に触れる
これが、ピアノを弾く時の手の形ですね。
この形ができていないと、指が動きにくいだけでなく手を痛めてしまう原因にもなります。
初心者の場合、まだ手がピアノの形に慣れていないので、気を抜くとつぶれてきてしまうことがあります。
練習を始めた最初は意識しているのですが、音やリズムなどに集中してしまうと、そこまで意識が回らなくなってしまうんですね。
弾きづらくなってうまくいかなくなると、イライラして視野が狭くなりがちです。
一度間違った形で覚えてしまうと修正が大変なので、ときどき手の形を確認してみるようにしましょう。
テクニック教本で練習
左手の小指や薬指の音が遅れたり小さくなったりしがち、運指がうまくいかない、という人はテクニック教本を使うといいでしょう。
いわゆる「指の体操」というやつですね。
「そんなのつまらないからやりたくない!」という人も、「毎日練習しているよ」という人もいるかもしれません。
ただ順番にピアノの音を出していくだけの何が楽しいんだと思われる方も多いですが、指の動きや音の出し方など、テクニック教本にはどれもピアノを弾く上で重要なエッセンスが詰まっています。
毎日弾くだけで、自然に左手もトレーニングされるように設計されているので、気がついた頃には左手の動きで悩むことはなくなっているはずです。
上手になりたい!と思う人は、ぜひ毎日の練習に取り入れてみてください。
最初はぎこちなかった練習曲も、スラスラと弾けるようになってくると面白くなってきますよ。
慣れてきたら、自分なりにアレンジして弾いてみたりするのも楽しいです♪
・初心者にオススメのテクニック教本
通常、左手もうまく動かしたい!という時に勧められるテクニック本はハノンだと思いますが、初心者には少し難しいと思います。
まだ両手を始めたばかり、という人は、『バーナムピアノテクニック(導入書)』がいいでしょう。
『バーナムピアノテクニック(導入書)』は、両手ユニゾン(両手で高さの違う同じ音を弾くこと)がほとんどです。
譜読みにイライラしづらいですし、かわいい棒人間が描かれているので曲のイメージがつかみやすくなっています。
1つの曲が12小節と短いのも、飽きずにできるちょうどいい長さです。
まずは「両手で同じように音を出せるようになる」ところを目標に練習してみましょう。
教本は、テクニックをマスターするまで弾くことが重要になるので、どんどん先に進む必要はありません。
確実に1曲ずつ弾けるようにしていきましょう。
右手と合わせるとうまくいかない場合の練習法
左手だけならうまくできるのに、両手で弾こうとするとうまくいかない、というのも両手弾きを始めたばかりの人や、新しい曲を始めたばかりの頃にはよくある悩みです。
左手を動かすことには慣れてきたけれど、両手を同時に動かすことにはまだ慣れていない状態なんですね。
スラスラと両手でピアノを弾く状態に憧れますが、ちょっと我慢して片手練習をしたり、ゆっくり練習したりすることで、結果的には早く両手でうまく弾けるようになります。
片手で練習
右手につられてしまう、左右の手のリズムが合わないという人は、まずは片手練習を徹底するようにしましょう。
早く両手で弾きたい!と焦ってしまうかもしれませんが、合わない両手を無理に合わせてもストレスがたまるだけでなく、上達スピードも遅くなってしまいます。
特に右手を見なくても弾けるレベルにまで完成させることで、両手で弾く時には左手のみに集中することができます。
そうすれば、頭がこんがらがってくることもなくなるので、どちらかの手が逆の手につられてしまうということも起こりにくくなります。
・メロディーを歌う
・左手のリズム打ちをする
片手練習をする時も、もう片方の手の存在を常に意識するようにしましょう。
そうすると、両手を合わせた時によりスムーズに弾けるようになります。
具体的には、左手を練習する時には右手のメロディーを歌いながら、右手を練習する時は左手が入る場所で足のももを打ったりしながら練習するのです。
「縦の音を意識する」ということですね。
もう片方の手を意識することで、どの音の時にどの鍵盤が対応しているのか、理解して覚えられるのです。
片手だけに集中すればいいので、指の動きや音、リズムなどにより注意を払って練習することができます。
片手練習のメリットやデメリットについてもっと知りたいという方は、こちらの記事もお読みください。
>>ピアノ初心者は片手練習がオススメ!身近な曲を一緒に弾いてみよう♪
ゆっくり練習
両手で弾くとミスタッチが増えてしまう、という人は、まずは自分が「いつも同じところでミスをする」のか、「違う部分でミスをする」のかを考えてみましょう。
もし毎回同じところでミスしてしまうようなら、そこが苦手な部分なので、集中練習をするようにしましょう。
これについては、詳しくは次項で解説していきますね。
いつも違う部分でミスをしてしまうという時は、片手ではきちんと弾けているのでしょうから、両手にした時に焦ってしまったり、いらない緊張をしてしまったりすることがミスタッチの原因になっていると考えられます。
ですから、まずはゆっくりとしたテンポで、ミスタッチなく弾ききれるようにしてみましょう。
「なんだ、自分でも両手で弾けるんだ」と自信がついてくると、自然にミスタッチの数も減ってくるでしょう。
また、一度ミスタッチしてしまったことに動揺すると、さらに焦ってしまってどんどんミスタッチが増えてしまうというのもよくありますよね。
気にしない!というとおかしく聞こえるかもしれませんが、ミスタッチに動揺しない平常心を身につけることも重要となってきます。
ミスタッチをもっと減らしたい!解決策をもっと知りたい!という人はこちらもご覧ください。
苦手なところだけ練習
前項でお伝えしたように、両手で弾くと毎回同じところでミスタッチしてしまうという人、また同じところでつっかえてしまうという人は、その苦手部分だけを取り出して練習するようにしましょう。
初心者の方はどうしてもミスをしたりすると「最初から」また弾き直しをしてしまいがちです。
しかし、できるところを何回も練習するのは時間ばかりかかってしまう上に、肝心の苦手部分があまりトレーニングできなくなってしまいます。
思い切って、苦手部分の3小節程度を取り出して、そこだけをゆっくりと、もしくは片手ずつにバラして練習するようにしましょう。
3小節も難しい、という時は1小節だけから始め、少しずつできるようになったら2小節、3小節・・・と伸ばして、弾けるところからやってみてください。
できるところから弾くことで、曲の流れがつかめます。
また曲の中で弾くようになった時に、スムーズに接続できるようになるからです。
ピアノ初心者の左手練習方法・お悩み別まとめ
ピアノ初心者にありがちな左手のつまづきと、効果的な練習方法について今回はお伝えしました。
左手がうまく動かない | 動かしづらい | 左手の形を確認 |
音の強さが一定にならない
運指がうまくいかない |
テクニック教本で練習 | |
右手と合わせるとうまく弾けない | 右手につられる
左右の手のリズムが合わない |
片手で練習 |
ミスタッチが増える (同じ場所ではない) |
ゆっくり練習 | |
同じ場所でミスタッチする
同じところでつっかえる |
苦手なところだけ練習 |
つまづきの原因をなくす練習をすることで、より上達が早くなります♪
少しずつでもいいので、毎日コツコツと練習することが脱・初心者への近道です。
とは言っても、初心者の頃は「ああ~早く両手でスラスラと弾きたいよ~!」とイライラしてしまうことも多いと思います。
楽しくないのにピアノをやっても苦痛でしかありませんし、嫌々やってもなかなか上手にはならないものです。
ストレスを感じた時は、練習を中断して休憩してみたり、自分の得意な曲を弾いてみたりして、気分転換をしてみるといいでしょう。
自分が弾きたい!と思うピアノ曲の動画やCDを聞いてみるのも、やる気が出てくるのでおすすめです。
左手のつまづきがなくなり、思うようにピアノが弾けるようになってくれば、ピアノの表現にもっと深みが出るようになってきます♪
左手を強化して、さらに楽しいピアノライフを手に入れちゃいましょう♪
お読みいただき、ありがとうございました!