誰でも、いつも元気で明るくポジティブでありたいですよね。
でも毎日の生活の中で、時には嫌なこともあります。
仕事や人間関係で腹の立つことも、落ち込むこともおきてしまいます。
そんな時、ピアノを弾くのがお好きな読者様は、どんな曲を弾きたいですか?
明るく元気な曲で気分を上げるのもよいですが、実は切なくて少し暗めな曲もおすすめです。
この記事では落ち込んだ時こそ弾いて欲しい、切ないピアノ曲(クラッシック)お勧め5曲をご紹介します。
切ないピアノ曲を弾いて、感傷的な気分にどっぷり浸って、自分を癒していただければと思います。
ぜひ最後までお読みくださいね。
落ち込んだ時に切ないピアノ曲(クラッシック)を弾くと良い理由
冒頭でも申し上げた通り、落ち込んだ時は切ない曲を弾いていただくのがおすすめです。
気持ちを切り替えるために、明るい元気な曲の方が適しているのではないか?と思われる読者様もいらっしゃるかと思います。
なぜ、切ない曲が適しているのでしょうか?
その理由をご紹介します。
音楽療法に「同質の原理」という、テクニックがあります。
「自分の感情に共鳴する音楽の方が、安心できる」という理論です。
誰にでも当てはまることですが、自分と共通点がある人に親しみを持ちますよね。
食べ物の好みや色やファッションや出身地など、何か共通点があれば話も弾みます。
音楽も同様に、落ち込んだ人は切ない静かな音楽、元気な人は明るい元気な音楽に心地よさを感じる傾向があるというものです。
例えばすごく落ち込んでいる時に、カラオケに行って、激しいノリノリの歌を歌うように言われたらどうでしょうか?
とても無理!と思ってしまいませんか?
ピアノも自分の気持ちに合わせて、気分が沈んだ時は切ない曲を弾いた方が落ち着くような気がしませんか?
悲しい時、落ち込んだ時はぜひ切ない曲を弾いて、ご自分を癒してあげてください。
気分が落ち着いたら、少しずつ明るい元気な曲も弾いてくださいね。
切ないピアノ曲(クラッシック)おすすめ5曲!
さっそく、切ない気分になりたいときにおすすめなクラシックのピアノ曲を5曲紹介していきます。
曲は誰もが知っている有名な曲から、意外と知られていない名曲まで幅広くえらびましたので、ぜひ参考にしてください。
さらに、今回の5曲は作曲家を時代ごとにばらばらに選んでおり、それぞれの作曲家のエピソードを加えながら説明いたします。
ぜひ曲の背景も知っていただき、より感傷的な気分に浸っていただければと思います。
バッハ 平均律 第1巻 8番プレリュード
最初にご紹介する曲はバロック音楽から、バッハの「平均律 第1巻 8番プレリュード」です。
引用:YouTube
この曲は左手の和音が続き、その上の右手のメロディーがとても物悲しくて切ないです。
物思いにふける時などにぴったりの曲です。
この曲の作曲者であるバッハはドイツ3Bと呼ばれる作曲家の一人で、日本では「音楽の父」と呼ばれています。
バッハはオルガンの名手としても知られており、「平均律 第1巻 8番プレリュード」もオルガン曲の一つです。
「平均律」は正式名を「平均律クラヴィーア曲集」といい、1巻と2巻があります。
バッハは鍵盤楽器の可能性を追求しようとしたのか、全調24ものプレリュードとフーガを作りました。
この8番のプレリュードは悲嘆にくれるプレリュードと呼ぶ人もいます。
ベートーヴェン 「月光」 第1楽章 ピアノソナタ 第14番 Op.27-2
次に古典派の曲の中から、ベートーヴェンの大変有名な3大ソナタの1つ「月光 第1楽章」をご紹介します。
引用:YouTube
「月光」という名前、はベートーヴェンの死後ドイツ人の音楽評論家のレルシュターブが、「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と評したことに由来します。
右手の3連符が、湖面に映る月光の揺れを、表現しているようです。
ベートーヴェンも、バッハと同様にドイツ3B作曲家の一人です。
日本では「楽聖」と、呼ばれています。
貴族や教会など一部の特権階級のものとされていた音楽を、ベートーヴェンは一般市民も楽しめるものにしようとしました。
現在日本では、年末に必ず「第9」が演奏されます。
ベートーヴェン交響曲第5番「運命」の最初のメロディーは、誰もが知っている「ジャジャジャジャーン!」です。
不幸なことにベートーヴェンは、耳が聞こえなくなっていきます。
それでも作曲家として曲を作り続けたのですから、やはり天才ですね。
ベートーヴェンは好意を寄せる女性ができると、その人に捧げる曲を書いたり、ロマンチックな一面もありました。
この「月光ソナタ」もある女性に捧げられたとも言われています。
静かで神秘的ですが、なかなか恋愛成就できないベートーヴェンを思うと、また切ないですね。
ショパン ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作
次にご紹介する曲はロマン派の曲の中からショパン 「ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作」です。
引用:YouTube
この曲は映画「戦場のピアニスト」で、テーマ曲として使われていました。
物悲しいメロディーが戦争の悲惨さや残酷さを、更に浮きだたせています。
ショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれていて、とても人気が高いです。
39年の短い生涯でしたが、数々の素晴らしい曲を書きました。
ショパンについて、ピアニストの仲道郁代さんのコメントが、私にはとても印象に残っています。
「ピアノ音は減衰する。減衰するものは儚い、儚いものは美しい。その美しさを最大限に生かして曲を作ったのがショパンなのではないか。」
ショパンの音楽を、とても素敵な言葉で表していますよね。
美しく、繊細で、切ない曲です。
サティ グノシエンヌ 第1番
次にご紹介するのは、印象派の時代に生きた作曲家ですが、曲風は新古典派主義に入る作曲家のサティ 「グノシエンヌ 第1番」です。
引用:YouTube
こちらの楽譜はグノシエンヌ 第1番の冒頭の部分です。
楽譜を見るとすごく面白いのですが、拍子記号も小節線が無くてただ音が並んでいます。 |
曲調もこれまで用いられてきた、調性や対位法などの作曲の概念にはとらわれていないものです。
サティは「音楽界の異端児」と呼ばれていて、本当に変な人でした。
変人を表すエピソードの一つに、サティは「白い物しか食べない!」と決めていました。
卵の白身、砂糖、肉の脂身、塩、ココナッツ、鶏肉、米、かぶ、白いプリン、パン、白いチーズなどです。
しかも酒場でピアノを弾く仕事のために、山高帽をかぶってタキシードを着て長い傘を持って、毎日片道10キロの道を歩いて通っていたというのも本当の話です。
本当に変わってるというか、面白い人だなぁと思います。
サティはこれまでの概念には収まらない、革新的な音楽を追求していたのではないでしょうか?
陰々滅滅としていて、光と影とか表と裏とか、いろいろな事を感じてしまいます。
マーラー アダージェット
最後に近現代の作曲家、マーラー 「アダージェット」をご紹介します。
引用:YouTube
このアダージェットの原曲は、マーラー作曲「交響曲第5番の4楽章」です。
これをピアノ版にアレンジして、弾かれています。
交響曲第5番のテーマは人生の憂鬱とカタルシスの願望で、苦悩から歓喜へと昇華する流れです。
4楽章のアダージェットはマーラーが出会うなり恋に落ち、結婚した20歳近く年下の女性「アルマ」へのラブレターとも言われているんです。
ヴィスコンティ監督の「ベニスに死す」の音楽に使われています。
名声もある初老の作曲家が、一人のあまりにも美しい少年に魅せられてしまうという物語です。
主人公の作曲家のモデルはマーラーと言われています。
少年とベニスの美しさと、初老の老人の死へ向かうある種の狂気が、「アダージェット」の音楽で更に効果的に迫ってきます。
マーラーはオーストリアで活躍した作曲家、指揮者です。
交響曲と歌曲の大家として知られています。
穏やかな曲調ですが、しんみりしてしまいますね。
切ないピアノ曲(クラッシック)はまだまだたくさんあります。
どうぞご自分でお気に入りの曲を探してくださいね。
【切ないピアノ曲をクラッシックで】おすすめ曲5曲ご紹介!まとめ
ここまで、切ないピアノ曲(クラッシック)おすすめ5曲をご紹介しました。
私の切ないピアノ曲おすすめ5曲はこちらです。
- バッハ 平均律 第1巻 8番プレリュード
- ベートーヴェン 「月光」第1楽章 ピアノソナタ第14番Op.27-2
- ショパン ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作
- サティ グノシエンヌ 第1番
- マーラー アダージェット
他にもたくさんあるので、ご紹介できないのが残念です。
ご自分でも、探してみてください。
気分が沈んで、一人になりたい時にピアノを弾くのはぴったりですよね。
その時の気分に合った、少し暗めの切ない曲を弾いて、自分を癒してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。