皆さんはストリートピアノや駅ピアノをご存知でしょうか?
「駅ピアノ」は、その名の通り駅に設置されているピアノのことを言います。
駅のみならず、地域の公共施設や空港など、さまざまな場所にピアノが設置されています。
これらの呼び方を総称すると「ストリートピアノ」です。
今回は、駅ピアノを含むストリートピアノが設置されている理由、ピアノが弾ける場所などについて解説します。
駅ピアノを弾いてみたいと思っている方は、ぜひご覧ください!
この記事を読めば、下記の3つが分かります。
駅や街中にピアノが!発祥の地はイギリス・バーミンガム
ストリートピアノが初めて設置された場所は、イギリス・バーミンガム市です。
2008年、ストリートピアノプロジェクトとして「Play Me,I’m Yours(私を弾いて、私はあなたのもの)」がスタートし、バーミンガム市の街中にピアノが設置されました。
2008~2020年の間、このプロジェクトによって多くの国の街中で、ピアノを演奏して楽しむ人たちが増えました。
ちなみに、日本国内で初めてストリートピアノが設置された場所は、鹿児島県・鹿児島市の鹿児島中央駅一番街商店街です。
鹿児島中央駅一番街商店街にストリートピアノが設置された年は2011年なので、もう10年以上も多くの人たちに演奏されてきました。
現在は、商店街でストリートピアノの管理(運搬・調律・ペイント作業の経費など)をしているそうです。
なぜ駅や街中にピアノがあるのか?
世界中で広がりを見せている駅ピアノは、どのような理由で設置されたのでしょうか。
地域によって違いはありますが、駅ピアノには関係者のさまざまな思いがこめられています。
主な駅ピアノを例に挙げて、解説していきます。
音楽を通した地域活性化
鹿児島中央駅前一番街商店街では、音楽を通した商店街や地域活性化を目的として日本初のストリートピアノが設置されました。
2011年、商店街に突然現れたカラフルなピアノに、地域住民の皆さんからは驚きの声が多数あったようです。
そのため、ストリートピアノの設置に携わった関係者の皆さんは「この先設置しておいて雰囲気を壊さないだろうか?」と少し不安を覚えました。
設置当初は驚かれましたが、商店街を訪れる親子やお年寄りなど、数多くの人がこのピアノを演奏して楽しんできました。
ストリートピアノを通じた地域活性化は、今や全国に広がりを見せながら続いています。
音楽で安らぎと癒しを感じてもらう
2022年10月、埼玉県坂戸市の坂戸駅(東武東上線沿線)で、駅を利用する皆さんに安らぎと音楽の楽しさを知ってもらうために、駅ピアノが設置されました。
「坂戸駅ステンドグラス未来ピアノの会」の発案によって、地域の事業の一環として設置され、現在も多くの人に利用されています。
時には、ゲストを呼んで演奏会が開催されるほど親しまれている駅ピアノです。
こちらの動画でオープニングイベント(2022年10月)の様子が公開されていますので、ぜひご覧ください♪
引用:YouTube
駅ピアノやストリートピアノが演奏できる主な場所
日本国内にも、駅や街中でピアノを気軽に演奏できる場所は増えています。
こちらの章では、主なストリートピアノと駅ピアノのの設置場所について解説します。
東京都庁
東京都庁の展望台室には、『おもいでピアノ』というストリートピアノがあります。
世界的デザイナーの草間彌生さんがデザインした、ビビッドな柄が印象的なピアノです。
都庁の45階にある南展望室で、開放的な気分でピアノ演奏を楽しめます。
東京近郊にお住まいの方は、一度足を運んで広々とした空間で演奏を楽しんでみてはいかがでしょうか。
京都駅
京都駅には、全国の駅には珍しく2つの駅ピアノが設置されています。
そのうちの一つは、大きな窓からの景色を眺めつつ演奏ができる駅ピアノです。
京都駅ビルから見える景色を一望しながら、癒されつつ演奏ができます。
京都駅に近い場所に住んでいる方は、絶景を楽しみながら演奏を楽しむのもおすすめですよ♪
全国のJR・私鉄の駅や街中
全国のJRや私鉄の駅、そして街角にピアノの設置は増えています。
身近な場所に駅ピアノが設置されていたら、ぜひ一度演奏して開放的な感覚を味わってみてはいかがでしょうか。
駅ピアノを演奏する際のマナーについて、次の章で解説します。
演奏をしたいと考えている方は、使う前にご一読ください。
駅ピアノを楽しむためのマナー
ストリートピアノや駅ピアノの演奏は、大体は無料で自由にできますが、演奏するには各自治体のルールがあります。
多くの人が行き交う公共の場にあるピアノのため、守るべきものは守って演奏することが大切です。
ルールやマナーを確認して、楽しく開放的にストリートピアノの演奏を楽しみましょう。
ピアノを使う前は手指を清潔にする
駅ピアノは、多くの不特定多数の人が演奏します。
ピアノを清潔な状態にしておくためにも、演奏前には手指のアルコール消毒が推奨されています。
アルコール消毒液を使って、手指を清潔にしてからピアノ演奏をしましょう。
ピアノに汚れがあったら、ピアノを使う人たちのためにできる限りきれいにふき取っておくことも大切です。
もしピアノに不具合が生じた場合は、管理者や自治体にすぐに連絡しましょう。
打鍵を強くし過ぎない
大きな音を出すために打鍵を強くして演奏をすると、ピアノの鍵盤に影響が出てしまう場合があります。
ピアノの鍵盤は、ピアノの要でもあり消耗部品です。
ピアノの調律状態を保つためにも、優しく丁寧に扱いながら演奏しましょう。
あまりに音が大きいと、場合によってはピアノの音を騒音と認識してしまう人が現れ、トラブルの原因にもなりかねません。
長時間の演奏はしない
駅ピアノを演奏したい人は、ピアノのレベルを問わずたくさんいます。
多くの人が使うものなので、長時間の演奏は控えましょう。
できるなら、1人当たり約5~10分ほどに限定しての演奏をおすすめします。
こちらの動画のように、演奏前~演奏後まで美しい状態を保ちつつ演奏を楽しめば、誰もが気持ちよくピアノ演奏ができるでしょう。
引用:YouTube
実際に駅ピアノを見学・演奏した感想
筆者の地元の駅構内にもピアノが設置されているので、実際に見学と演奏をしてみました。
上の写真が、その駅ピアノです。
丁寧に手入れがされており、とても美しい状態のピアノでした。
実際に演奏をしてみると、駅構内に音色が響き渡り、周囲で電車を待っている人たちが耳を傾けている様子も見られました。
私が演奏したのはとても簡単な短い曲でしたが、駅構内にメロディが響き渡る感覚を感じて、とても気持ちよかったです。
その後にピアノが上手な女性が演奏されていましたが、美しい音色に思わず拍手をする人もいました!
とても微笑ましい光景でした。
駅や街の中にピアノがあれば、ピアノを通して地域や人とのつながりが増えるでしょう。
これからも、世界中にストリートピアノや駅ピアノが広まることを願います。
誰でも自由に駅ピアノを楽しんでみよう
今回は、駅ピアノやストリートピアノの歴史や設置場所、マナーについて解説しました。
街中にピアノがあることで、地域の人同士のつなりができたり、道行く人たちの癒しになったりしています。
今回の記事のまとめはこちらです。
・2008年、イギリスのバーミンガム市に初めてのストリートピアノが設置されました。
・日本では、地域活性化のために2011年に鹿児島県に駅ピアノが登場したのを皮切りに、現在も多くの地域でストリートピアノや駅ピアノの設置が広まっています。
・駅を利用する人たちに心の安らぎと癒しを与えられる目的で、ピアノを設置している駅もあります。
・東京都庁や京都駅など、シンボリックな場所でもストリートピアノが演奏できます。
・使用前~使用後、ピアノの清潔を保ちながら演奏を楽しみましょう。
・打鍵を強くし過ぎると、ピアノの破損や騒音の原因となってしまうので注意する必要があります。
・不特定多数の人たちが利用するピアノなので、長時間の演奏は避けましょう。
ストリートピアノについてさらに深く知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。