『腱鞘炎(けんしょうえん)』誰もが一度は聞いたことがある言葉ですよね。
たくさんの練習や演奏会などで手首に負担がかかる奏法によって炎症がおこり、ひどい場合では痛さで手が動かせなくなってしまいます。
腱鞘炎になってしまうと、ピアノを弾くことが楽しめなくなってしまうため、絶対に避けたいトラブルの1つですよね。
今回は、『ピアノを弾く人が腱鞘炎にならないためのピアノ奏法4つのコツ』と『なぜ腱鞘炎になってしまうのか』についてご紹介します。
これで腱鞘炎に悩まされずに、ピアノを好きなだけ弾くことができますよ!
この記事を読むと、以下のことがわかります。
腱鞘炎にならないピアノ奏法
初めに腱鞘炎にならないピアノ奏法について、ご紹介しますね。
そもそも腱鞘炎になるのは、腱鞘炎になりやすいピアノの弾き方をしていることが原因なのです。
腱鞘炎になるピアノの弾き方を自分で変えない限り、何度も腱鞘炎を繰り返してしまいます。
これは、正しいピアノの弾き方が見落とされているからなんです。
そこで『腱鞘炎にならないピアノ奏法4つのコツ』をご紹介しますね。
- 鍵盤の底を強くたたかないこと
- 身体の各パーツの正しい可動域を知ること
- 大きな筋肉から順に使っていくこと
- 速い動きの割合を減らすこと
それではポイントを1つずつチェックしていきましょう。
鍵盤の底を強くたたかないこと
ピアノは鍵盤に連動するハンマーに弦を振動させることで、音を出す楽器です。
この鍵盤を強くたたくことが、腱鞘炎になってしまう主な原因なのです。
鍵盤を強くたたくことは全く意味がないどころか、むしろ自分の身体へ負担をかけるだけで悪影響にしか過ぎません。
鍵盤の底まで強くたたかないように、気をつけましょうね。
『下部雑音』について
これはピアノを鍵盤の底までたたいた時に鍵盤の底がピアノに衝突することによって出る音で、ピアノの音色には邪魔な音です。
有名なピアニストの辻井伸行さんの音色が綺麗だと言われているのは、下部雑音をなくすために鍵盤の底まで弾かない奏法を徹底して身につけているとのことですよ。
身体の各パーツの正しい可動域を知ること
ピアノを弾く場合、多くの方が肩を前に巻きこんで弾いているのではないでしょうか。
これを続けてしまうと『巻き肩』というものになってしまいます。
巻き肩になってしまうと、本来正しいとされている位置に肩がこないため、身体のあらゆるところがこってしまい、上半身をうまく使うことができないのです。
また身体の各パーツの可動域がわからないと、手首の故障や怪我にもつながってきますよ。
ここでポイントになるのが『あごの位置』です。
一般的に良い姿勢というのは、軽くあごを引いた状態で耳の真下に肩がきている時をいいますが、あこが上がってしまうと途端に耳と肩の位置にズレてしまいます。
あごが上がってしまうと肩も前に出やすくなりますし、姿勢も崩れやすくなりますよ。
一度自分の目と感覚で、それぞれのパーツがどのように動くかを確認してみましょう。
大きな筋肉から順に使っていくこと
筋肉には大きく分けて2種類あります。
大きな力を発揮できるけれど、すぐに疲れてしまう『速筋(そっきん)』と、大きな力は発揮できないけれど、長時間力を発揮し続けることができる『遅筋(ちきん)』です。
長距離走者やクロスカントリーの選手など、持久力の必要なアスリートは遅筋が発達しています 。
また短距離走者のような瞬発力が必要なアスリートは速筋が発達しています。
では、ピアニストは一体どちらでしょうか?
指の動きから見て、ピアニストは速筋の方が発達しているかもと思う方がいるかもしれません。
しかし、ピアニストは速筋よりも遅筋のほうが発達しているのです。
ピアニストと一般人との親指の筋肉を研究した結果、ピアニストの方が一般人よりも、遅筋が発達していたことがわかりました。
ピアノを弾くことは持久性の高い運動であることが、これでよくわかりますよね。
ピアニストは幼少期からの長年の練習を通して、長時間弾き続けても疲れにくい筋肉を育てているともいえます。
しかし手の中の小さな筋肉は細かい動きは得意ですが、大きい力を生み出すことはできないのです。
だから手と腕は肩甲骨で支えて、腕の動きは背中で作るように意識を持つようにしましょう。
そして上記の『身体の各パーツの正しい可動域を知る』を身につけられるようになれば、身体のどのパーツをどのように動かせばよいのかというのがわかってきますよ。
速い動きの割合を減らすこと
速い動きは腱や腱鞘に負担がかかりますので、無駄な動きはしないようにしましょう。
次の鍵盤を弾くまでの間に、前の音を弾いている間に次の音を弾く準備に余裕を持っているくらいがベストです。
引用:YouTube
上記の動画も参考になりますので、ぜひ見てみて下さいね!
なぜ腱鞘炎になってしまうのか
ではなぜ腱鞘炎になってしまうのでしょうか。
ピアノを弾く時は、手の平と前腕の筋肉を伸縮させることで指を動かしています。
ピアノを弾く動作は腱と腱鞘がこすれ合うことが多くなり、『腱鞘炎』になりやすくなります。
引用:腱鞘炎{狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)・弾発指(ばね指)}
また不自然な奏法でピアノを弾くことや、無理に力をいれたりすると腱鞘に負担がかかります。
腱鞘はとてもデリケートな組織で、余計な負担がかかってしまうと炎症を起こしやすいのです。
初めはわずかな痛みでも、炎症はおこっています。
だから、痛みがおきたらすぐにピアノを弾くのをやめて、手を休ませてあげましょう。
下記の記事には腱鞘炎になってしまった場合の対処法が載っていますので、合わせて読んでみて下さいね!
ピアノを弾いて腱鞘炎になる原因とは?おすすめの対策をご紹介!
腱鞘炎を気にせずにピアノが弾きたい!ならないための4つのコツ大公開!・まとめ
今回は『腱鞘炎を気にせずピアノが弾きたい』ということで、4つのコツをご紹介しました。
- 鍵盤の底を強くたたかないこと
- 身体の各パーツの正しい可動域を知ること
- 大きな筋肉から順に使っていくこと
- 速い動きの割合を減らすこと
以上の4点が腱鞘炎にならないためのコツでした。
鍵盤を強くたたくことにより、自分の身体に負担がかかり、腱鞘炎の原因となってしまいます。
また身体の各パーツの可動域がわからないと、手首の故障や怪我にもつながるとお伝えしました。
手の中の小さな筋肉は大きい力を生み出すことができないため、腕の動きは背中で作るように意識を持つようにすればよいですね。
速い動きは腱や腱鞘に負担がかかりますので、無駄な動きはしないようにしてください。
腱鞘炎になる理由として次の理由をご紹介しました。
- 腱と腱鞘がこすれ合う頻度が多くなり腱鞘炎が起こりやすなる
- 不自然な奏法でピアノを弾くことや、無理に力をいれたりすると腱鞘にかかる負担はどんどん増えていく
今回の記事で、ピアノを弾く動作は腱と腱鞘がこすれ合うことで『腱鞘炎』になることがよくわかりましたよね。
不自然な奏法でピアノを弾くことや、無理に力をいれたりすると腱鞘にかかる負担は増えていきます。
これらが原因で、腱鞘炎になりやすいこともわかりました。
腱鞘はとてもデリケートな組織で、負担がかかってしまうとすぐに炎症を起こします。
初めはわずかな痛みでも、炎症はおこっています。
これを無視しないことがまず第1番の腱鞘炎にならない方法だと思ってください。
そして痛みを感じたら、すぐに手を使うのをやめて病院に行くのが1番良い選択肢ですよ。
皆様にもぜこの記事をお読みいただき、腱鞘炎にならないようなピアノ奏法で楽しくピアノを弾いて下さいね!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。