ピアノを自分の思うように、自由に演奏できたら、どんなに素晴らしいでしょう。
しかし、現実はそう簡単にはいきません。
「右手はスムーズに弾けるのに、左手がうまく弾けない。」
「片手ずつなら弾けるのに、両手になったとたんに弾けなくなってしまう。」
このようなお悩みはありませんか?
利き手が右手の場合、左手はどうしても動かしにくいですよね。
好きな曲だけを弾いていると、左手はなかなか上達しません。
左手をスムーズに動かすには、左手のための練習が必要です。
しかし、片手練習ばかりやっていては、いつまでたっても両手演奏ができません。
また、スラスラと弾けても上手く聴こえない場合、左手の演奏方法に問題があるのかもしれません。
この記事では、左手や両手演奏が上達するための方法を、動画を取り入れながら解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
・左手がスムーズに弾けるようになる練習方法
・左手を美しく弾く演奏方法
ピアノ演奏での左手の役割
ピアノでは、主に、右手で高音域、左手で低音域を弾きますが、それぞれどのような役割があるのでしょうか。
ピアノソロで演奏
一般的には、右手がメロディー、左手が伴奏と考えていいでしょう。
右手で歌って、左手で支えるというイメージです。
このイメージは、モーツァルトの時代以降の音楽スタイルによるものです。
バッハの時代は、複数のメロディーを重ねていくように演奏するポリフォニーという音楽様式でした。
ポリフォニーでは、左手もメロディーを弾くため、どちらの手も同じような動きになります。
バンドでピアノ演奏
バンド演奏の場合は、メロディーのパートをボーカルなどが担当することが多いです。
その場合のピアノの役割は、右手も左手もメロディーを支える役割になります。
右手は、フレーズやコードを弾き、左手はベースを弾くことが多いでしょう。
左手には、低音を響かせながらテンポを刻む役割があります。
ピアノソロにしてもバンド演奏しても、左手には、右手と協力してハーモニーを形成したり、音楽を全体的に支える重要な役割があるということですね。
ピアノを両手で弾けない場合
ピアノをはじめたばかりの頃は、音も少なく、左手も多くの動きをする訳ではありません。
右手と左手を片手ずつ練習して、それぞれ弾けるようになった。
左手も片手だと弾けるのに、両手になったとたんに弾けなくなってしまう。
初心者さんには、このようなケースがよくみられます。
この場合、左手だけを必死に練習しても、両手で弾けるようにはなりません。
両手であわせる練習が必要になります。
両手弾きが難しい理由
ピアノ未経験者は、よく「両手が別々で動くなんて信じられない!」といいます。
そもそも、両手で弾くのは、脳の仕組み上難しいのです。
右手は左脳が動かし、左手は右脳が動かしています。
右脳と左脳の間には橋の役割をする「脳梁(のうりょう)」があり、左右の脳の指令を伝えています。
片手練習の場合、左脳、右脳がそれぞれ動くだけで、「脳梁」は動きません。
両手練習をすることで、左脳、右脳だけでなく、橋としての「脳梁」も動きだすのです。
両手練習をして、「脳梁」を鍛えていきましょう!
次に、その練習方法をご紹介しますね。
両手の練習方法
両手で弾くのは難しい。
やみくもに練習しても、時間ばかりがかかってしまう。
そのような読者様に、両手で弾けるようになるための練習方法を2通りご紹介します。
いずれも1小節ずつ、ゆっくり練習してくださいね。
- 1小節だけ、片手ずつを確実に弾けるようにする。
- 1小節だけ、右手と左手を交互に、スラスラと弾けるようにする。
- 1小節だけ、両手を合わせてゆっくり弾く。
- できたら、次の小節に進みでも同じように弾く。
1小節ずつ進むので、少しもどかしく感じるかもしれませんが、ゆっくりでも確実に弾くことが大事です。
- 1小節だけ、右手の音を歌いながら右手を弾く。
- 1小節だけ、右手の歌を歌いながら、左手を弾く。
- 1小節だけ、ゆっくり両手で合わせて弾く。
- できたら、次の小節に進みでも同じように弾く。
【2】は少し難しいかもしれませんが、頭に負荷をかける位の練習をすると上達が早いですよ。
次の動画で詳しく説明していますので、参考にしてみてくださいね。
引用:YouTube
両手で弾く方法については、次の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
ピアノを両手で弾けないから脱出しよう!両手で弾けるようになるコツをお伝えします
ピアノの左手がスムーズに動かせない場合
両手で弾くことはできても、左手がスムーズに動かせない。
これは、初心者に限らず、中級者以上の方も感じることがありますよね。
中級以上の曲になると、右手でメロディーを弾くことが多いため、右手の動きの方が活発になります。
左手もスムーズに弾けるようにするには、左手のための練習が必要なのです。
次の教本や動画を参考にして、練習してみてくださいね。
ハノン
まずは、指練習の王道「ハノン」。
「それなら知っている、今さらハノンなんてやりたくない。」
そのような気持ちもわかりますが、ハノンは左手も右手と同じように動くため、左手のトレーニングにもなります。
左手のみを取り出して練習してもいいでしょう。
何も考えないで、ただ弾いてしまうのはもったいないです。
指に意識を集中させて練習しましょう。
引用:YouTube
また、ハノンの練習については、次の記事も参考にしてみてください。
ピアノ初心者にハノンは難しい?!効果的にハノンを取り入れる方法!!
ベレンス
左手のための練習曲集で、1段譜で書かれているのが特徴です。
中級者以上を対象としているため少し難しくなりますが、左手の上達には効果がありますよ。
第1部は同型反復のトレーニング、第2部はエチュードで音楽的な要素が入ってきます。
まずは、第1部を少しずつでも練習していくといいでしょう。
引用:YouTube
左手エクササイズ10選
エクササイズ感覚で楽しく練習できます。
動画と一緒に練習すると、集中できますよ。
速いとなかなか難しいですが、速度調節して、ゆっくりのテンポから確実に弾けるように練習しましょう。
引用:YouTube
ピアノの左手が上手に聴こえない場合
左手も動くし、両手でも問題なく弾ける、でも左手がなんだかしっくりいかない、
このようなケースもあるでしょう。
左手で伴奏を弾く場合、右手のメロディーより目立っていませんか?
右手ばかりを気にして、左手は何となく弾いていませんか?
バランスを考えて演奏しないと、優雅な演奏になりません。
次の動画では、ショパンのノクターン第2番(Op.9-2)の弾き方を説明しています。
初心者の方には少し難しい内容かもしれませんが、左手の役割や重要性がわかりますよ。
ぜひ、参考にしてみてください。
引用:YouTube
ピアノって奥深いですね。
指が動くからといって、すばらしい演奏とは限りません。
逆に、指がそれほど動かなくても、すばらしい演奏はたくさんあります。
それぞれのレベルにあわせて、演奏のヒントにしていただけたら幸いです。
ピアノの左手はタイプ別練習で苦手克服!
「左手が上手く弾けない」という場合、いろいろなケースが考えられます。
「両手になると弾けない」「左がスムーズに動かない」「左手が上手に聴こえない」
それぞれのタイプ別に、練習方法をご紹介してきました。
読者様のお悩みにあった練習方法はみつかりましたでしょうか。
最後に、ここまでの内容をまとめます。
ソロ:左手は伴奏
バンド:左手はベース
・1小節ごとに片手ずつ交互に弾いて、ゆっくり合わせる
・1小節ごとに右手を歌いながら左手を弾いて、ゆっくり合わせる
・左手の伴奏を大きく弾きすぎない。
・バスの音やフレーズ感を考えて弾く
左手のトレーニングは、モチベーションを保つのがたいへんです。
憧れの曲を美しく奏でることを思い描いて、丁寧に練習していきましょう。
また、人前で演奏する機会があると、練習にも張り合いが出ます。
思い切って、仮想演奏会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ピアノ演奏が、ぐんと上達しますよ。
これからも読者様の実りあるピアノライフを応援いたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。