「また楽譜通りに黒鍵を弾けなかった・・・」
読者様は黒鍵につまずいた経験、ありませんか?
譜読みに慣れていない初心者にとっての強敵、♯(シャープ)と♭(フラット)。
調性(キー)にマストな「♯」と「♭」は、楽譜のト音記号・へ音記号の脇にしか書かれていないので、ついつい弾きそびれてしまうんですよね。
実際、子どもの頃にピアノの練習が嫌いだったという人の中でも、キーが覚えられなくて嫌になってしまったという声をよく聞きます。
そして、曲の中で決められた黒鍵がないのは、ハ長調とイ短調だけ。
この2つの調性の曲に出てくる黒鍵なら、臨時記号として音符のすぐ脇についているので基本的には弾きそびれる心配はありません。
「でも、ハ長調かイ短調の名曲、しかも初心者が弾けそうな曲って何があるの?」
今回の記事は、そんな読者様のお悩みにお応えすべく書きました。
・弾きたい曲がハ長調・イ短調以外の時はどうする?
ぜひ、曲選びの参考にしてみてくださいね。
ピアノ初心者におすすめの曲【ハ長調・イ短調のクラシック】
黒鍵は隣同士が離れていることもあり、楽譜を読めさえすれば、実は白鍵より弾き間違えにくいと感じる方も多いです。
でも、初心者にとってはこの「楽譜を読めれば」が難問ですよね・・・。
キーが違うと「♯」や「♭」の数も変わっていくので、わけが分からなくなってきます。
でも、ここでピアノや黒鍵に苦手意識を持ってしまってはもったいない!
まずは、原曲がハ長調もしくはイ短調の曲から練習を始めて、少しずつ黒鍵に慣れていきましょう♪
ベートーヴェン:エリーゼのために
引用:YouTube
まずご紹介するのは、誰もがきっと一度は耳にしたことのあるであろう名曲「エリーゼのために」です。
ご紹介している動画は原曲通りのかなり速いテンポですが、ゆっくり弾いても美しいのがこの曲のすばらしいところ。
そして、「エリーゼのために」が初心者に優しい一番の理由は、なんといっても「タララララララララ~♪」という有名メロディーが何度も繰り返されるところ。
これはロンド形式と言う技法です。
エリーゼのためにの場合は、この(A)繰り返されるメロディー以外に、(B)明るいメロディーと(C)暗いメロディーがあり、(A)(B)(A)(C)(A)という形式になっています。
今回、「どのくらい(A)があるのかな?」と気になったので、原曲の楽譜をもとに集計してみました。
全126小節中、なんと約91小節(約72%)は(A)の「タララララララララ~」とその周辺メロディーでした!
「タララララララララ~」だけでも16回弾いてました。
つまり、まずはここさえマスターすれば、「エリーゼのために」は大体弾ける!という達成感が味わいやすいんです。
だからこそ、多くの大人ピアノ初心者や再開組に、1曲目として選ばれているんですね。
モーツァルト:ピアノソナタ 第15(16)番 ハ長調 K.545 第1楽章
引用:YouTube
次にご紹介するのは、ピアノを習っている子どもの多くが練習しているモーツァルトの「ピアノソナタ第15(16)番 ハ長調 K.545 第1楽章」です。
※旧モーツァルト全集では15番、新モーツァルト全集では16番だそうです。
CMに使われたこともあるので、ピアノを習っていなかった大人でも聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
この曲が初心者におすすめなポイントは、片手の和音が少ないこと、音階が多くあることです。
左手は、「ドソミソ」のような定番の指使いが多く、和音自体が少ないうえに2和音がほとんどなので、譜読みが苦手な初心者でも抵抗感が少ない構成になっています。
右手はキーを上ったり降りたりすることが多く、メロディーが美しいだけでなく指使いの練習にもなります。
しかもこのピアノソナタ、なんとモーツァルト自身が作品の目録に「初心者のための小さなソナタ」と記しているんです。
モーツァルトからのおすすめ、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 第1番 ハ長調 プレリュード
引用:YouTube
ベートーヴェン、モーツァルトときて、バッハはいかがでしょう。
この曲は、バッハが鍵盤楽器のために作曲した作品集「平均律クラヴィーア曲集」の第1巻第1番の前奏曲です。
のちにバッハを敬愛するグノーがアヴェ・マリアの伴奏にこの作品を使用し、今やクリスマスを代表する名声楽曲にもなっています。
きっと一度は耳にしたことのある方が多いのではないでしょうか。
この曲が初心者にもおすすめな理由は、片手の和音が少なく、左右の音符を交互に弾く場面が多いところです。
ドミ♪(左手)ソドミソドミ♪(右手)というように、両手が協力して主旋律を作り上げるメロディーから始まるので、両手を同時に弾くと混乱する!ということになりにくいです。
また、左右の手が離れすぎない位置に保たれるところも、鍵盤を探すのに四苦八苦してしまう初心者にとっては嬉しいポイントですね。
この曲をマスターしたら、アヴェ・マリアとして歌詞をつけての弾き歌いもできるようになりますよ♪
ヨナーソン:かっこうワルツ
引用:YouTube
4曲目にご紹介するのは、ヨナーソンの「かっこうワルツ」です。
ピアノの発表会の定番曲で、昔は小学校の学習指導要領の鑑賞教材にもなっていた1曲です。
この曲が初心者におすすめなポイントは、ワルツなのでリズムがとりやすいこと、3和音が少ないことです。
左手で3拍子を弾きながら、右手でかっこうの鳴き声や軽快なメロディーを奏でます。
明るく軽快なワルツは、リズムに乗るのが難しい初心者でも自然に身体が動いてしまうんです。
また、かっこうワルツに出てくる和音はほとんどが2和音なので、安心して弾くことができますよ。
さらには、スタッカートでかっこうの鳴き声を表していたり、2つの音を高速で弾くトリルで小鳥のさえずりを表したりとたくさんの工夫がちりばめられています。
弾いていて楽しい気持ちになれるおすすめの1曲です。
ピアノ初心者におすすめのクラシック曲:弾きたい曲がハ長調・イ短調以外の場合
黒鍵の譜読みに自信がなくても、どうしても弾きたい曲ってありますよね。
そんなお悩みを解消する方法は次の2つです。
- ハ長調にアレンジされた楽譜を使う
- 初心者が弾きやすいように工夫がされている楽譜を使う
もちろんそのまま果敢に原曲に挑む方法もありますが、それは今回は省略しています♪
ハ長調にアレンジされた楽譜を使う
1つ目のおすすめは、ハ長調にアレンジされた楽譜を使うことです。
例えばこちらはヤマハが出版している、クラシックの名曲をハ長調にアレンジした楽譜本です。
引用:ヤマハの楽譜出版
ヤマハからもこのような楽譜本が出版されているということは、いかにキーによって変わる黒鍵に頭を悩ませている人が多いかがわかりますね。
自分だけじゃないと思えると、とても励まされますよね。
こちらの本には、ハ長調にアレンジされた「カノン」「ノクターン」「ラ・カンパネラ」などの数多くの名曲が収録されています。
このような本を使うことで、敬遠していた名曲に挑むこともできるところがいいですよね♪
初心者が弾きやすいように工夫がされている楽譜を使う
2つ目のおすすめは、初心者が読みやすいように工夫がされている楽譜を使うことです。
例えば、当ブログでも初心者向け教材としてご紹介している海野真理先生の「30日でマスターするピアノ教本&DVD」の楽譜では、すべての音符に指番号とドレミが書かれています。
もちろん、「♯」や「♭」もその都度書いてあるので、ハ長調やイ短調じゃなくても黒鍵に悩まず弾けるんです!
こちらの教材では、ベートーヴェンの「第九 歓びの歌」や、ショパンの「別れの曲」などの名曲が、初心者でも弾きやすいようにアレンジされています。
楽譜だけでなくDVDで先生がわかりやすく解説してくれるので、どうやって弾くのか一人で悩まなくて良く、上達も早いです!
誰もが知っている曲を弾けるようになると、自信を持って演奏できるようになりますよね♪
こちらのピアノ教材に興味をお持ちの方は、以下の記事でさらに詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください!
時間もお金もないけど、スラスラとピアノを弾けるようになるなんて、そんなウマい話はない!!と思っていませんか?海野真理先生の「30日でマスターするピアノ教本&DVD」なら、その願いは叶ってしまうんですよ♪ ffサイト限定特典もお見逃しなく!!
ピアノ初心者でも弾きやすいクラシック名曲に挑戦しよう!
今回、ハ長調・イ短調のクラシック曲の中でも、多くの方が一度は耳にしたことがあるであろう名曲をご紹介しました。
- ベートーヴェン:エリーゼのために
- モーツァルト:ピアノソナタ 第15(16)番 ハ長調 K.545 第1楽章
- バッハ:平均律クラヴィーア第1巻 第1番 ハ長調 プレリュード
- ヨナーソン:かっこうワルツ
一度は聞いたことがある曲をピアノ初心者におすすめする理由は、知っている曲だと「次は今より高い音のはず」というように、無意識に次の音階の見通しが立つからなんです。
音を外した時にすぐに気が付けるのもいいところですね。
初心者でも弾きやすい名曲にチャレンジし、ぜひ読者様のピアノ人生を盛り上げてくださいね♪
だんだん弾けるようになってきたら、表現力にも挑戦してくださいね♪
ピアノを演奏するためにとても大切な「表現力」、おざなりにしてませんか?表現豊かに弾くのとそうでないのとでは、同じ曲でも全く違って聴こえるんです!そこで今回は、演奏に必要な表現力と初級者でも実践できる「表現豊かに演奏するコツ」をご紹介します!
うまく弾けなくてモチベーションが下がりそうなときは、こちらの記事をご覧ください♪
ピアノの練習にはモチベーションの維持が重要になってきますよね? 長く続けていれば、時に落ち込むことや、嫌になってしまうこともあるでしょう。 この記事では、モチベーションダウンの原因と、モチベーションアップの方法を詳しく紹介しています♪ 素敵なピアノライフを!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。